研究課題/領域番号 |
20K13255
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研究機関 | 北海道博物館 |
研究代表者 |
鈴木 あすみ 北海道博物館, 研究部, 学芸員 (60823945)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 哺乳類標本 / 博物館資料 / データベース / GIS |
研究実績の概要 |
哺乳類の標本コレクションは自然史系の研究者のみならず、考古学や民族学の分野にも応用される貴重な資料であり、その充実は社会にとって大きな恵みをもたらす。一方で、哺乳類の捕獲は法律による規制があるため、捕獲に基づく収集を行うことは難しい現状にある。 本研究の目的は、標本の収集地域および収集年代の分布特性を明らかにすることである。研究内容は、北海道産の小型哺乳類を対象とし、冷凍遺体から博物館標本までを含めた「哺乳類標本」の収集傾向について、現地調査に基づいた地域共通の哺乳類標本データベースを作成することを第1段階とする(1.小型哺乳類標本を対象とした現地調査、および2.汎用性の高いデータベースの作成およびインターネットを利用した共有化)。その後、地理情報システム(GIS)を用いた解析を行い、検証を行うことを第2段階として実施予定だ(3 本研究により得られたデータの時空間解析、および4 収集・登録・利活用の検証)。本研究により、博物館等による拾得遺体の収集の効率化、市民および博物館関係者による標本利用の活性化に貢献することが期待される。 2020年度は第1段階の「1.小型哺乳類標本を対象とした現地調査」に着手した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、現地調査の実施は当初計画よりも少数にとどまったものの、哺乳類標本の収蔵状況や課題についての情報収集に進捗があった。情勢を鑑み、所属機関において研究環境の整備を行ったほか、オンラインで開催された学会等において、情報提供のよびかけを行うなどの活動を行った。また、「2.汎用性の高いデータベースの作成およびインターネットを利用した共有化」について、既存データベースに関する研修および学会への参加を通じ情報収集とフォーマットの検討を行った。これらの結果を踏まえ、2021年度の調査方針の再検討を行う必要が生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、「1.小型哺乳類標本を対象とした現地調査」を主として研究を遂行する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、出張計画に支障が生じたため、調査回数が計画よりも少数にとどまった。現地調査の内容を代替するため、電話による聞き取りを行ったが、次年度以降に改めて現地調査を行う必要がある。情勢を鑑み、所属機関において研究環境の整備を行ったほか、オンラインで開催された学会等において、情報提供のよびかけを行うなどの活動を行った。また、「2.汎用性の高いデータベースの作成およびインターネットを利用した共有化」について、情報収集とフォーマットの検討を行った。以上の状況により、一定の進捗がみられたものの当初計画の内容を十分遂行できていないため、「やや遅れている」区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、現地調査が十分に実施できない状況が続くことが予想される。そのため、「1 小型哺乳類標本を対象とした現地調査」について、哺乳類標本の収集等について各機関が課題とする事項についての調査およびデータベースの構築に向けた標本情報の取得のため、全道の博物館に向けてアンケート調査を実施する予定である。得られた結果をもとに一定の標本数が見込める博物館等を中心に選定し、現地調査を実施する。また、「2 汎用性の高いデータベースの作成およびインターネットを利用した共有化」について先行して取り組み、基礎情報の入力フォーマットの整備を実施する。GISソフトウェアについては昨年度に所属機関に導入されたことから、当館資料を用いたプレ解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
出張調査のとりやめによって旅費に不使用分が出たほか、ソフトウェアの調達は実施したが、本助成金を使用しなかったため。 残額については、次年度以降の出張調査旅費として使用することを予定している。
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