研究課題/領域番号 |
20K13256
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研究機関 | 山梨県立博物館 |
研究代表者 |
西願 麻以 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (90757006)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 写真 / 博物館 / アーカイブ / 地域資料 / 資料保存 |
研究実績の概要 |
今年度は、本科研費の初年度であり、必要な機器類を揃え、資料調査を中心に進めた。資料調査は以下①~⑤の調査を実施した。 ①県内神社所蔵ガラス乾板(大正時代・約400枚)の現地での状態調査、②個人蔵写真フィルム(戦後昭和・数千枚)の調査、③山梨県航空写真(紙焼き・数千枚)の調査、④県内神社所蔵紙焼き写真(大正時代・18枚)の調査及びデジタル化、⑤県内財産地区所蔵昭和34年台風被害映像フィルム(1本)の現地調査。①に関しては、次年度以降に詳細な資料調査及びデジタル化を進める許可を得ており、次年度以降、館に搬入し詳細な調査とデジタル化を行う予定である。②、③に関しては、資料をすでに館に搬入し、寄贈手続きをすすめ、資料の調査およびデジタル化を進めている。⑤に関しては、デジタル化された映像の寄贈手続きをすすめており、映像の被写体の調査をすすめている。 まだ、事例は少ないが、保管状況がよいものが多く、綺麗に画像が残っているものがほとんどであった(一部のガラス乾板は破損など見られた)。木箱や、事務用の金属製のロッカー等に保管されており、外の影響が受けにくい状況であれば、比較的、画像がきれいに残っていることが確認された。また、②のフィルムは、撮影者が県内の事件やイベントを撮影するカメラマンであったことから、歴史的な事象の写真が多くみられ、全てのフィルムに撮影日と撮影対象の情報が記録されており、歴史的価値が非常に高い。⑤は台風の被害後、財産地区の調査員が各エリアをまわり、被害状況を記録しており、また被害者の方のお葬式の様子なども記録されていた。 少ない件数ではあるが、地域の歴史を記録する重要な写真やフィルムが確認された。また、状態も劣化が少なく画像が綺麗に確認できる状態であった。紙焼き写真やフィルムの悉皆調査をおこない、デジタル化を早急に進めるべきであると強く感じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大防止のため、人との接触を減らすために当初予定していた写真の募集や写真所在確認のアンケートを取りやめ、博物館に依頼があったもののみの調査となった。また、初年次に予定していた各専門機関への調査等、県外調査ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き、①~⑤の調査及びデジタル化をすすめる。特に①、②、⑤については、館内所蔵の同時代の写真と比較をし、被写体情報の収集を進めていく。また、並行して他の写真やフィルムの資料調査も進める。 新型コロナ感染症の様子をみながら、県外の専門機関への調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大予防のため、県外出張ができず、また、資料整理の依頼ができず謝金の支払いがなかった。来年度以降、新型コロナ感染症の状況をみて、初年度にできなかった出張や資料整理の依頼を行っていく。
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