| 研究課題/領域番号 |
20K13265
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| 研究機関 | 早稲田大学 |
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研究代表者 |
申 知燕 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教 (90866716)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 移住 / トランスナショナリズム / エスニシティ / アジア系移住者 / 教育行動 / アメリカ |
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| 研究実績の概要 |
今年度は，先行研究や統計データをもとに，研究動向および事例地域の現状を把握することを目的とした．
まず，1900年代以降のアメリカにおける移民政策の方向性と，その移民政策に影響された日韓両国からの移住に関して，国内外で発行された文献資料のリストを作成し，資料収集および分析を行なった．その結果，戦前の移住による日系アメリカ人および韓人については，歴史地理学の観点から，移住者の現地社会への適応や，集住地の形成，そして戦争によるコミュニティの変化などに焦点を当てた研究の蓄積がみられた一方で，戦後，特に近年の移住動向や，アメリカの各地域における集住地の現状に注目した研究は少ないことが明らかになった． 1965年に改定されたアメリカ移民法によって，韓国からは家族単位の移民が急増したため，かれらが形成した韓人集住地とコミュニティの存在を指摘した研究は散見される．しかし，日韓両国の経済成長が進んでから渡米した，留学生や現地就職者，駐在員などのホワイトカラー層に注目した研究は未だ乏しく，本研究を通して把握するべき部分であると考えられる．
また，日韓両国が発行した移住者関連の統計，およびアメリカの人口センサスなど，各種データをリストアップし，移住者の地域的分布とその特徴を示す作業も進めており，近年の日本人および韓人の移住はホワイトカラー層のトランスナショナルな移住が主流となっていることが確認できた．かれらの移住先における生活，特に人的ネットワークとコミュニティに関しては，移住者の子どもが通うエスニックな教育施設を中心に分析することを試みており，各種施設のリストアップも進めた．ただし，大都市圏においては全日制の学校と補習校が混在しているため，教育施設の使い分けや，その過程で形成されるコミュニティの性格などについては今後の現地調査をもとに把握する予定である．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画で予定されていた，日韓両国における先行研究の分析とデータの整理を行った．データ分析および地図化も順調に進んでいる．
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度以降の研究は，現地調査を中心とする予定であったため，具体的なインタビュー調査先の選定を行っている．ただし，COVID-19の状況が改善せず，海外渡航が難しい状況が続く場合は，次年度の1年間は更なる文献調査およびデータ分析を行う形で研究を遂行していく予定である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より用品費が節約できたため．
COVID-19の影響で事例地域におけるパイロット調査をキャンセルしたため．
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