研究課題/領域番号 |
20K13266
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎌倉 夏来 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00791831)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 技術軌道 / 製造業 / イノベーション / 特許 / 日本 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、製造業におけるイノベーションの地理的特徴について、知識や技術の質的側面に着目しながら、それらの動態的な生成過程を定量的・定性的に分析することで、「技術イノベーションシステム(TIS)」の空間的メカニズムを解明することである。 今年度は、昨年度十分に成果としてまとめることができなかった「都市と特許のIPC(国際特許分類)のネットワーク」を作成に引き続き着手し、データの整理とモデルの精緻化を行った。データ処理の面でまだ課題を残してはいるものの、この成果については、3年目に投稿論文として発表できるように準備を進めている。 また、2年目以降に行うことを予定していた特定産業の分析にも着手した。より具体的には、産業関連の技術や技術群に注目するため、今年度は半導体産業に関するデータの分析、資料調査、聞き取り調査を行った。今後は、他産業についても同様の分析を進めていく方針である。 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初予定していた国内外での現地調査については、本格的に着手するには至らなかった。しかしながら、こうした状況が続くことに対する代替的な措置として、文献・資料調査、データ分析、可能な範囲での聞き取り調査を重点的に行うことで、日本の製造業の立地やイノベーションと密接に関わる国内回帰の現状についての概観を進めた。今年度は、半導体産業に注目しながら、製造業における国内回帰の困難さについての論考を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、引き続き出張による調査に制約があった。また、年度中に産前産後休暇を取得していたため、研究に割くことのできる時間や期間を十分に確保することが難しかったことも影響している。
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今後の研究の推進方策 |
データ分析についてはまだ課題を残しているものの、産業別の分析の基盤となる文献・資料の分析については、特に半導体産業について、想定よりも進めることができた。今後は、予定していたデータの詳細な分析を迅速に進め、質的な調査と統合していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で国内外への出張が制限されていたほか、産前産後休暇を取得していたため、今年度の研究期間が短くなってしまったため。
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