研究課題/領域番号 |
20K13274
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研究機関 | 芸術文化観光専門職大学 |
研究代表者 |
池田 千恵子 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 准教授 (50825560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ツーリズム・ジェントリフィケーション / ツーリティフィケーション / アルベルゴ・ディフーゾ / 居場所の立退き / 穏やかなジェントリフィケーション |
研究実績の概要 |
2023年度も引き続き、ツーリズムジェントリフィケーションの研究と共に持続可能な観光について、長野県小諸市において研究調査を実施した。小諸市では、リノベーションまちづくりの推進者と共に地域の変容を明らかにしつつ、アルベルゴ・ディフーゾへの発展について言及した。その一方で、新規事業者による新規店舗やイベント活動が、地域の住民に対して「居場所の立ち退き」を生じさせている部分にも言及した。 また、ツーリズムジェントリフィケーションが発現するまでに生じるツーリティフィケーションの先行研究も平行して行った。ツーリティフィケーションとは、観光のために空間が変容し、地域全体の性質や利用が変化していくことである。住宅、公共スペース、商業施設など、居住を目的とした空間が、観光用に転用されることで、地域住民が日常生活で必要とする施設やサービスが減少することを意味する(Cocola-Gant 2023)。1990年代以降、都市間競争が激化する中、観光による経済成長という都市政策のもとで、利益団体によるインフラやサービス(空港、駐車場など)などへの投資が活発になったことで、ツーリティフィケーションが生じるようになった(Manue 2019)。このツーリティフィケーションの概念をもとに2024年度は宮古島市を再度検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文に関しては、『地域公共政策研究』33号に「インバウンド施策と持続可能な観光―城崎温泉を事例として― 」、『季刊経済研究』42(1-3)号に「インナーシティ問題とツーリズムジェントリフィケーション―京都市を事例として― 」が掲載された。また、『日本都市学会年報』57号にアルベルゴ・ディフーゾ関連の査読論文が1本採択された。 書籍に関しては、ミネルヴァ書房にて2024年2月に発刊した『入門観光学(改訂版)』「第12章 地域観光とまちづくり」にてアルベルゴ・ディフーゾによる観光まちづくりについて言及した。 学会発表としては、招待講演1本、一般発表2本、研究部会1本の発表を行った。以下、発表内容である。経済地理学会地域大会(招待)「アルベルゴ・ディフーゾによる地域の再生」、日本都市学会70回大会「アルベルゴ・ディフーゾによる地域再生 -長野県小諸市を事例として-」、日本地理学会春季大会「リノベーションまちづくりとジェントリフィケーション-長野県小諸市を事例として-」、人文地理学会大会 観光空間研究部会「日本におけるツーリズムジェントリフィケーション ―COVID‐19による影響を踏まえて― 」
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、宮古島市においてツーリティフィケーションを踏まえた研究調査を行い、学会で発表を行う。また、今までの研究発表と合わせて、単著として出版する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19禍で研究調査が出来ない時期があり、旅費の執行が出来なかったため。
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