研究実績の概要 |
22年度の主たる研究成果である内尾(2023)「持続可能な養殖漁業の継続要因に関する人類学的探求 一宮城県南三陸町におけるカキ養殖のASC認証取得を事例に一」『環太平洋文明研究 7号』を基に、6月3日、4日に県立広島大学で開催された日本文化人類学会第57回研究大会において、以下の研究報告を行った。 内尾太一(2023, 6)「持続可能な養殖漁業と国際エコラベルに関する文化人類学的考察:宮城県南三陸町の復興過程を通じて」 また夏季休暇中に、震災復興過程で重要な役割を果たしたカキやワカメといった日本の在来種が、3.11の津波で流出した瓦礫に付着したまま北米の太平洋沿岸部に漂着した現象に注目し、オレゴン州で現地調査を実施した。その経験に基づき、以下の論文が2024年3月に出版された。 Uchio, Taichi(2024)Bicoastal Resonances: Toward a Cultural Anthropology on JTMD, Debris Hitchhikers, and the Extended Effects of 3.11, 『環太平洋文明研究 第8号』 ここまでの一連の研究を通じて、災害後に東北沿岸部の人々が自然や生態系とともに復興を遂げていく過程を明らかにしつつ、津波の環太平洋への影響や対岸の反応を取り入れたことで、地域文化に固有の価値観や営み(本研究ではそれらを現代における尊厳概念と密接に関わるものと捉えている)を、より多角的に観察及び描出できる枠組みを提示することができた。 また、2023年11月には本研究課題の調査地で開催された第二回南三陸いのちめぐるまち学会大会で、以下の招待報告を行った。 内尾太一(2023, 11)「南三陸町の文化人類学:ここから深くへ、ここから遠くへ」
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