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2024 年度 実績報告書

海洋生物の捕獲と養殖をめぐる文化人類学的研究:中国・台湾・フィリピンの事例から

研究課題

研究課題/領域番号 20K13290
研究機関南山大学

研究代表者

藤川 美代子  南山大学, 人文学部, 准教授 (10749550)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード海藻 / 台湾 / 日本 / 文化人類学
研究実績の概要

2024年度は、特に台湾の海藻の採集・加工・流通・消費に関する知見を広めるべくフィールドワークと資料調査を実施し、成果の一部を発表することに注力した。
1)台湾の寒天:新聞資料などの分析を通して、日本統治期に日本内地の寒天工場へ移出するためのテングサの供給地でしかなかった台湾において、日本内地出身者が気温・湿度の高い環境に適した紙寒天や粉寒天の製造技術を開発したことが明らかになった。また、1960年代にはテングサ資源の不足と価格高騰という危機と、日本発のオゴノリのアルカリ処理技術の台湾への導入、台湾におけるオゴノリ養殖技術の開発・発展という偶然が重なったことで、オゴノリ由来の「洋菜」(寒天)の製造が安定的に製造可能となったこともわかった。さらに、洋菜メーカー経営者からの聞き取りと国史台湾文献館や国家档案館などに残るきわめて断片的な記録の分析をとおして、1990年代後半から2000年代初頭にかけて工場排水による水質汚濁が問題となったこと、タイワントコブシの養殖に大量のオゴノリが用いられるようになったこと、台湾域内の人件費が高騰したことなどの影響から、台湾のほとんどの洋菜メーカーが工場を海外移転したことも判明した。これらの結果をまとめ、研究会や国際シンポジウムで発表することができた。
2)台湾のコンブ:台湾には日本の北海道産天然コンブと中国大連・山東・福建産の養殖コンブが輸入され、食されていることが確認できた。また、海藻を扱う台湾のメーカーの仕入れ担当者が北海道産天然コンブの輸入を画策し、日本国内の輸出業者と連絡をとり、実際に輸入にこぎつけるまでの過程について把握することに努めたほか、北海道産コンブの採集・乾燥・取引・輸出に関わる歴史を紐解くべく文献資料調査にも努めた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 「台湾における「洋菜(寒天)」製造と海藻の採集/養殖・加工の歴史」(History of agar production and seaweed collection/ farming/ processing in Taiwan)2024

    • 著者名/発表者名
      藤川美代子
    • 雑誌名

      『2024 International Conference on Oceanic Culture & The 11th East Asian Island and Ocean Forum會議手冊』

      巻: - ページ: 91-110

  • [雑誌論文] 「王昊凡『グローバル化する寿司の社会学──何が多様な食文化を生み出すのか』」2024

    • 著者名/発表者名
      藤川美代子
    • 雑誌名

      『年報人類学研究』

      巻: 14 ページ: 74-79

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「台湾における「洋菜(寒天)」製造と海藻の採集/養殖・加工の歴史」(History of agar production and seaweed collection/ farming/ processing in Taiwan)2024

    • 著者名/発表者名
      藤川美代子
    • 学会等名
      2024 International Conference on Oceanic Culture & The 11th East Asian Island and Ocean Forum
    • 国際学会

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公開日: 2025-12-26  

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