研究課題/領域番号 |
20K13293
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大澤 隆将 金沢大学, GS教育系, 講師 (40795499)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インドネシア / エスノ・ジェネシス / 生業 / エスニシティ / 資源利用 / 文化人類学 |
研究実績の概要 |
本研究は、インドネシアの東部スマトラに暮らす諸民族集団の文化・歴史に関する比較研究を通して、東南アジアにおける民族の分枝・形成と維持・存続の歴史過程を追究するものである。 昨年度の実績として、研究に関連する海外出張をおこなった。第一に、2022年8月末から9月初旬にかけて、アメリカに出張し、スマトラのリアウ諸島州に暮らすオラン・ラウトの研究で高名なシンシア・チャオ教授、およびマラッカ海峡周辺の歴史学者として有名なレオナード・アンダヤ氏と研究打ち合わせを行った。両氏と研究方針を確認する中で、リアウにおける民族の分枝・形成のプロセスについて、他の地域と比較しながらエスニシティの全体理論とつなげていく必要性を指摘された。加えて、特定時代かつ特定の場所を分析する人類学的なアプローチに歴史学的な長期間のダイナミズムを導入していく必要性を指摘された。 第二に、2023年2月末から3月初頭にかけて、スマトラのリアウ州へ出張を行い、プタラガンの人びとが暮らす集落を訪問した。コロナ・パンデミックが起こってから初めての再訪であり、この2-3年間の村落状況の変化について調査を行った。その中で、近年中央政府が土地の国有林地指定を解除する方針を示しているが、集落の人びとが先住民たる「プタラガン」としての民族性よりは、過去から現在まで続く土地の実効支配をよすがに政府との交渉を進めていることを確認した。この点のより深い分析は今後の課題である。 なお、2022年度には、本課題に関連する研究発表を4件(内:国内研究会2件、国内学会1件、国際会議1件)を行い、加えて、関連するトピックの書籍一冊の共県編著者となった(当該書籍に論文5本を執筆)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年4月の採択直後にコロナ・パンデミックに見舞われ、昨年夏まで本研究の核となる現地調査や共同研究を十分に行うことができなかった。昨夏以降、研究実績として言及したようにアメリカの研究者との面会打ち合わせと短期間の現地調査を行った。しかしながら、採択時に所属していた総合地球環境学研究所の任期終了や金沢大学国際基幹教育院への採用といった所属や本務の変化が重なり、コロナから始まる研究の遅れを十分に取り戻せているとはいいがたい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最大の目的は、東部スマトラの諸民族を研究対象とする人類学者および歴史学者をリアウ州のプカンバルに集め、国際会議を開催することにある。昨年度中に仕上げる予定であった国際会議のToRがまだ作成できていないため、8月までにこのToRを完成させ、サーキュレートすることが最初の目標である。その後、本年度1~2月中にプカンバルにおける国際会議の開催を実現させるよう、最善の努力を尽くす予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍に伴う出張制限と勤務先の移動により、予定通り予算執行ができていない。本年度中に国際会議を開催し、予定通り予算を執行する予定である。
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