テロ事件に対処するために、国が一定の情報を収集する重要性及び必要性が夙に指摘される。その一方、この情報の収集・管理・利用は、個人情報保護、プライバシー保護の観点から無限定に許容することはできない。このことは各国同様の問題を抱えている。従来、日本では、この問題について、プライバシー権という権利論として議論が積み重ねられてきた。本研究は、ドイツでの取り組みを参照しつつ、権利論ではなく、統治機構論として検討を行った。そして、情報収集機関の組織・手続の観点により、その収集の限界をいかに画するかについて、議会統制権の問題として、議会調査委員会による限定手法の可能性がありうることを析出した。
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