本研究は、これまで十分に検討されてこなかった近代国際法完成期及びその後の戦間期における自然国際法論の内実を解明し、それらが国際法学説史においてどのような意味をもった営みであったのかという点を考察するものである。 本研究において、第一に1776~1914年という時期に上梓された文献の中で、自然国際法論を採用するものを同定し、それらの内容を精査した。第二に、戦間期という時代に提唱された自然国際法論を同定した。その上で、これらの結果を統合することで、戦間期に展開された自然国際法論が、近代国際法完成期における自然国際法論の「再生」として評価可能であることを実証した。
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