研究課題/領域番号 |
20K13338
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川久保 寛 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (90706764)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 社会法学 / 社会保障法 / 介護保険法 / ドイツ / 高齢者 / 相談支援 / 相談援助 |
研究実績の概要 |
今年度もコロナ禍のために研究計画を変更せざるを得なかった。 研究計画では本研究の中心となっている海外調査(ドイツ)を行うはずであったが実施できず、同時に行うこととしていた文献研究(文献収集、分析)を行い、研究会における研究報告を行った。 また、所属機関が変更になったため、研究環境の整備に一定程度力を入れた。 学内の研究会だけではなく、オンラインで開催される学外の研究会に積極的に参加し、複数回報告した。具体的には所属している研究会(北大社会保障法研究会、東京社会保障判例検討会)のほか、研究分担者となっている科研研究会(地域理論研究会)で報告した(都合5回)。本研究に関連する生活保護に関して、耳目を集めている書籍の書評会に参加し、書籍の一部を担当して分析を行った。 本研究で文献研究は海外調査の前提であり。また研究成果の公表において必要不可欠な作業でもあり、海外調査とともに重要な位置づけを持つ。ドイツ介護保険法における相談援助の検討を引き続き行うとともに、関連している相談扶助の研究を行い、研究会で報告したうえで原稿化した。あわせて執筆依頼を受けて新たに原稿の執筆を始めるともに、研究会で報告して研究の意義を確実なものとした。 本年度は研究報告をもとに論文化を進め、書籍の紹介とあわせて都合3つの論文を公表することができた。また、著書の分担執筆を行い2冊の著書を出版できた。すでに、次年度にも2冊出版される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のために予定していた海外調査を行うことができなかったが、代替として予定して文献研究を引き続き行うことで、一定の成果を得た。また、所属機関が変更になったが、オンラインによる研究会出席に努めることで研究遂行を維持できた。 研究会報告では本研究に関連する制度である相談扶助を取りあげ、社会保障における意義について論じた。また、依頼を受けた原稿について研究会で報告を行い、研究の深化を図った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究のテーマである相談支援の法と実務について、論文の公表に向けた整理を行う。 本研究は海外調査と文献研究の二本立てで企画しており、海外調査(ドイツ)による実態の把握を意図していた。しかし、コロナ禍をめぐる状況は改善がみられるものの、高齢者に対応する社会福祉現場でのヒアリング調査を実施することは依然として難しい。研究計画の見直しを行い、現状でできる限り研究を進めて成果の公表を目指す。 また、引き続き本研究に関連して研究会で報告を行い、本研究の意義の導出を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために海外調査が以前としてできず、旅費の支出が低額にとどまった。 次年度は、研究計画にある通りドイツ介護保険法や関連する相談援助に関わる文献の収集に努める。また、研究会において研究報告を行う予定となっており、状況にもよるが報告のための出張も考えられる。引き続き、研究費の適切な使用を前提に計画的な執行を図る。
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