本研究は、精神障害・知的障害を有する被疑者を保護するために身柄拘束下の取調べ及びその処遇においてどのような保護策を設けることが適切であるかに検討を加えるものである。精神障害・知的障害を有する被疑者は、その特性上、虚偽自白を行う危険性が高く、取調べの録音・録画等の近年の法改正で導入された制度のみでは虚偽自白の危険を払拭するには不十分であると考えられている。本研究では、イギリスとの比較検討から、精神障害等を持つ被疑者の供述の信用性を担保するために必要な保護策及びその保護策の実効性を担保するために必要な証拠法則上の取扱いについて考察した。
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