本研究の目的は、米国をはじめとする諸外国の顏認証技術の利用を巡る議論を参考として、わが国の捜査機関において顏認証システムの適正な利用を進めるにあたっての基本的視点の提示を試みることにある。 2023年度は、日本刑法学会第101回大会において「犯罪捜査を目的とした情報技術の利用とその規律」との題で個別報告を行う機会をいただき、当該報告でいただいたコメントをもとに、単著(犯罪捜査における情報技術の利用とその規律」(慶應義塾大学出版会))を公刊した。 上記以外の口頭発表としては、東京大学国際高等研究所東京カレッジ主催「法執行機関のAIシステム導入に向けた取組みとAIガバナンス Interpol UNICRIツールキットの紹介と日本への示唆」における個別報告(「日本における警察や法執行機関でのAI利用の事例紹介」)、第20回デジタル・フォレンジック・コミュニティ2023 in TOKYOにおける報告(「SNS捜査とAI」(個別報告)、「AI利活用の実態と悪用対策・利用適正化」(座長))、デジタル時代の「公共」をめぐる法と政治の相互作用に関する研究会における個別報告(「犯罪捜査における情報技術の利用とその規律」)がある。 共著(分担執筆)としては、「人事データ保護法入門」(勁草書房)、「越境するデータと法 : サイバー捜査と個人情報保護を考える」(法律文化社)がある。 雑誌論文については、法学教室2023年12月号に「個人情報の取得と利用 刑事手続法の動向 」を掲載いただく機会を得た。
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