研究課題/領域番号 |
20K13354
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
安田 恵美 國學院大學, 法学部, 准教授 (90757907)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヴァルネラビリティ / 社会参加 / 「司法と福祉の連携」 / 社会的排除 / 刑務所出所者 / 受刑者 |
研究実績の概要 |
2021年5月から2022年3月においてフランスに滞在していたこともあり、本研究では以下の研究活動を行った。 ① 日本国内の研究活動としては、主にzoomやSlackを用いて実施した。まず、参考文献は協力者に依頼する等により入手するほかなかったため、文献の精読を通して行う研究は十分に行うことができなった。次に、zoomを用いた聞き取り調査を行った。これを行うにあたり、一般社団法人よりそいネットおおさかの協力を得た。また日本において参加してきた、研究会および学会についても、オンライン開催のものは、時差の関係があるのですべてとはいかずとも、一部に参加し、研究報告も行った。とりわけ、2021年10月にオンライン開催された犯罪社会学会では、ミニシンポジウムの中で司会および指定討論者を務め、これまでの研究成果をアウトプットする機会を得た。それのみならず、2021年9月にはよりそいネットおおさかにおいてオンラインで日仏の高齢受刑者等の処遇および出所後の社会参加についての講演を行った。 ② フランスにおける活動としては、本研究について、滞仏時に所属していたフランス司法省行刑局の資料室およびデータベース、そしてランス大学所蔵の資料を用いて情報収集を行った。さらに、各研究会等においては、法学の研究者のみならず、社会学者、心理学者、そして、司法官や弁護士、心理士等と意見交換をする機会を得て、フランスにおける受刑者等の社会参加をめぐる、法制度や議論状況について多角的な視点から知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によってZoomやSlack等のコミュニケーションツールの利用が拡充したことにより、それらのツールを活用することで、研究活動がほとんどできなかった2020年の遅れを若干取り戻すことはできた。しかしながら、渡仏前に行っておくべき作業が不十分だったため、フランス滞在の際に実施を予定していた調査が十分にはできず、かつ、滞在期間も当初の予定より大幅に短くなったことで予定していた調査を十分には実施することができず、全体として遅れていることは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、遅れを取り戻すべく、日本にいる間には資料収集し、フランス滞在中に展開された国内での議論状況をフォローする。またzoomでのインタビューを通して、対面でのインタビューの重要性(得られる情報がことなること)を実感したこともあり、現在、これまで実施することができなかった、国内での調査を計画しなおしているところである。また状況におうじて、刑事施設等の調査も再開する予定である。また、8月や2月ころの授業がない期間には、渡仏し、フランス調査を集中して行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は在外研究においてフランスに滞在していたこともあり、日本国内に関する研究活動を十分にすることができなかった。また、フランス滞在期間がコロナ禍により大幅に短縮されたことで、研究計画を大きく変更しなくてはならなくなったため、研究費を執行しての研究活動を十分に行うことができなかった。2022年度、2023年度は状況がより改善していることが予想されるため、国内およびフランスでの調査活動を当初の予定通りに行うことを計画している。
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