研究課題/領域番号 |
20K13355
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
宍倉 悠太 国士舘大学, 法学部, 准教授 (70575258)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 非行防止 / 多機関連携 / 発達障害 / 社会復帰 / 少年院 / 少年鑑別所 |
研究実績の概要 |
2021年度は前年度に続き、新型コロナウイルス感染症の影響により実施を延期していた「支援教育課程」の少年院を対象に実態調査を行う予定でいた。そこでその実現のために、更生保護法人両全会企画室長・国士舘大学法学部非常勤講師(元少年院長)の鷲野薫氏にご協力いただき、2021年6月25日(金)に法務省矯正局少年矯正課を訪問し、研究の趣旨説明および調査協力に関する依頼を行った。しかし、新型コロナウイルス感染症の状況が前年同様に改善されなかったことから、調査については再び延期せざるを得なくなった。そこでさらにこれらの研究に代え、2021年度も斎藤富由起福岡女学院大学教授および守谷賢二淑徳大学准教授らのグループにご協力いただき、オンライン方式による研究会の実施や学会等への参加を行ったほか、研究会での報告を以下のとおり実施した。 ①2021年8月10日(火)20:00-21:30 科研費調査事前研究会(第1回)開催。鷲野薫氏より、少年矯正の現状等について講義をいただいた。 ②2021年9月3日(金)17:00-19:00 第40回心理臨床学会自主企画シンポジウム「発達障害のある子どもの非行への効果的な支援と連携のあり方」参加。刑事法的観点からの指定討論者として質疑を実施。 ③2021年10月30日(土)15:00-16:30 早稲田大学社会安全政策研究所(WIPSS)第75回定例研究会報告。「少年の性非行防止に関する初期対応の展望―問題のある性行動に対するマルチシステミックセラピー(MST)を題材とした一試論―」というテーマで報告した。 ④2022年2月25日(金)19:30-21:30 科研費調査事前研究会(第2回)開催。鷲野薫氏より、少年院および少年鑑別所における発達障害を有する非行少年への対応の現状と課題について講義をいただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により2020年度に実施できなかった実態調査について、改めて2021年度に実施することを検討し、法務省矯正局少年矯正課を訪ねて協力依頼も実施したが、感染状況が改善しなかったことから当初の研究計画を消化することはできなかった。オンライン形式での研究及び文献研究を中心に実施したが、前年度同様に研究が大幅に遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初2か年計画であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、1年間研究期間を延長することとした。他方、当初計画していた実態調査の日程を全て消化することは1年間の延長では不十分となることも予想される。 そこで、今後実態調査が不可能であった場合は、昨年同様にオンラインでの研究活動の継続を行う。さらに、比較法等を中心とする文献研究に重点を置くことも検討したい。 なお、実態調査については、2021年度に法務省矯正局少年矯正課を訪問した際に、少年院のみならず少年鑑別所における「一般相談鑑別」も対象とした調査を行うことが研究の展開可能性に資するとの示唆をいただいた。そこで実態調査・オンラインでの研究・文献研究のいずれにおいても、少年院のみならず少年鑑別所も含めた研究を行うことを考えている。また、少年院や少年鑑別所の実態調査を経たうえで予定していた、非行や不良行為の初期対応の場面を対象とした多機関連携の展開可能性に関する研究については、研究期間内に可能な限り実施したいが、上記のとおり全てを消化することは困難になることが予想される。そこでこれらの調査については、2022年度はパイロット調査として実施したうえで、さらに次年度以降の研究期間延長や新規研究課題の立ち上げなども視野に改めて実施することも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は本来研究の最終年度であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、本研究で予定していた実態調査研究を実施することができなかったため、旅費を中心として請求していた研究費の執行ができなかった。そこで研究期間を1年間延長することにしたことから、次年度使用額が発生することになった。当該研究費については、2022年度中に実態調査研究を実施するほか、オンラインでの研究や文献研究を実施するうえで使用する予定である。
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