研究課題
若手研究
本研究は、大統領―議会関係の緊張関係を分析するため、大統領弾劾制度に着目し、大統領弾劾が頻発している南米諸国の事例を用いて、弾劾成立の可否条件を比較分析した。分析の結果、大統領派の議員が議席の過半数以上を占めている場合、政党内の派閥争いが可否条件を左右し、大統領派の議員が過半数以下となっている場合、大統領に対する支持率が可否条件に影響を及ぼすことが判明した。
政治学
大統領弾劾は大統領―議会の緊張関係を測る指標であり、行き過ぎた緊張関係は民主主義に影響を及ぼしかねない。弾劾制度は問題のある大統領を交代させることができるという利点を持つ反面、政治家同士の権力闘争や派閥争いにより任期を全うできない大統領が頻発すれば、民主主義の質を悪化させる可能性を秘めている。そこで本研究は、大統領弾劾の可否条件を明らかにすることで、弾劾制度と民主主義の関係性について検討した。