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2020 年度 実施状況報告書

1990年以降、日本の保守市民社会の動員と政治過程分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K13397
研究機関東京大学

研究代表者

具 裕珍  東京大学, 東洋文化研究所, 特任助教 (70839373)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード保守市民社会 / 右傾化
研究実績の概要

研究遂行初年度として、概念をめぐる議論とイベントデータの収集・拡充を行なった。まず、「保守市民社会」という用語をめぐる研究を行なった。ナショナリズムや歴史修正主義を標榜する社会勢力をどのように捉えれば良いのか。この問いに対しての研究成果として、投稿論文「日本政治における保守の変容への一考察:1990年以降の「保守市民社会」の台頭に着目して」(東洋文化研究所紀要(179号))が発表された。ここでは日本政治・社会及び欧米における用語をめぐる先行研究を検討し、既成保守政党への収斂とアドボカシー活動という二つの条件を満たす社会勢力を「保守市民社会」と称することを提案している。こうした用語の選択によって、日本政治における保守の変容が見られることを明らかにした。そして、これを元にして、韓国ソウル大学日本研究所の日本専門家セミナーにて報告も行なった(2021年3月9日)。
また、概念・用語をめぐる議論と合わせて、保守市民社会のイベントデータ構築にも着手し、2013年から2020年までの資料収集とデータセットの基礎作業を完了した。これを元にした論文投稿を準備している(招待投稿、韓国ソウル大学『日本批評』)。既存データをベースにした論文としてA Configurative Approach to Conservative Mobilization in Japan: The Effect of Combining Political Opportunities and Threats, Japanese Political Science Review, 5. が発表された。保守市民社会の動員においての諸条件を検討し、中でも政治的環境の条件が重要であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度コロナ危機を受け、最初は予定通りに研究遂行が難しかったが、後半になって予定通りに進めることができた。最初は文献を中心に概念を練る作業を主に行い、後半になってデータソースの資料収集やイベントデータ構築が順調に進むようになった。コロナ危機を受け、フィールドワークができていないことが残念である。

今後の研究の推進方策

今年度には大いに三つのプロジェクトを進める。
・2013年から2020年までのイベントデータを元に「安倍政権と保守市民社会」論文投稿と発表
・自民党と保守市民社会の言説分析をめぐる論文執筆と発表
・日本の保守市民社会とリベラル市民社会のインターアクションをめぐる論文執筆と発表

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染状況拡大で予定されていた国内外の研究発表をキャンセルいたしました。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 日本政治における保守の変容への一考察 : 1990年以降の「保守市民社会」の台頭に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      具裕珍
    • 雑誌名

      東洋文化研究所紀要

      巻: 179 ページ: 34-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A configurative approach to conservative mobilization in Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Koo Yoojin
    • 雑誌名

      Japanese Political Science Review

      巻: 5 ページ: 27~58

    • DOI

      10.15545/5.27

  • [学会発表] 日本政治における「保守市民社会」の登場2021

    • 著者名/発表者名
      具裕珍
    • 学会等名
      ソウル大学日本研究所日本専門家セミナー
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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