研究課題
若手研究
政党は現代の民主主義において欠くことのできないアクターである。この研究は、政党の組織について議員間の対立と協力という視点から、上院議員と下院議員、国政の議員と地方議員の関係に着目して明らかにするものである。対立の存在を明らかにするために量的テキスト分析、協力の存在を明らかにするためにネットワーク分析を用いる。量的テキスト分析の結果からは、上下院議員の間の対立や地方議員の独自性が明らかとなった。またネットワーク分析の結果からは政策ネットワークにおけるハブとなる議員の存在が明らかとなった。
政治学
本研究は、政治制度のあり方に注目し、制度間を架橋するような政党組織のあり方を明らかにしようとした。テキスト分析やネットワーク分析の手法を用いることで、複数のレベルに存在する政治家間の相互作用や対立のあり方を可視化したことに本研究の意義がある。上下院議員の対立関係や中央と地方の対立のあり方を明らかにし、その相互作用を検討することで、選挙制度に限られない政党形成のあり方について理論的な示唆が得られた。このような分析は今後の政治制度や政党のあり方を考える上で意義があると考えられる。