研究課題/領域番号 |
20K13404
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
前田 貴洋 琉球大学, 人文社会学部, 講師 (30844790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 労働基準監督官 / 規制執行活動 / 臨検監督 |
研究実績の概要 |
本研究の初年度である2020年度においては,労働基準監督官の規制執行活動(臨検監督)の規定要因とその効果を検証するための予備的な作業を行った. 具体的に実施した作業としては,第一に,労働基準監督官の規制執行活動(臨検監督)の規定要因と効果について検討した文献を渉猟し,先行研究のレビューを行った.その結果として,①日本においては労働基準監督官の規制執行活動(臨検監督)に関する実証研究はほとんど行われていないということ,②他方で欧米に目を転じれば,労働基準監督官による規制執行活動に関する実証研究が多数行われており,特にその効果に関する研究が重視されていること,③ゆえに,効果に関する研究は現在でも盛んに行われているだけでなく,その実証レベルも向上している一方で,規制執行活動の規定要因に関する研究は相対的に手薄であること,が明らかになった.そこで,労働基準監督官の規制執行活動(臨検監督)の規定要因について考察するために,幅広く行政組織の規制執行活動の規定要因に関する先行研究レビューの必要性も明らかになった. 第二に,こうした研究動向を踏まえ,労働基準監督官の規制執行活動の実証研究を行うために,当該活動に関するデータセットの構築に着手した.すでに入手済みの戦後直後に関する規制執行活動に関するデータの入力を行っており,随時入手した資料からデータの入力を進めているところである.くわえて,労働基準監督官の人的資源に関するデータの入手・データセット化も進めているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
諸外国の労働基準監督官の規制執行活動(臨検監督)に関する先行研究のレビューを行ったことにより,日本における実証研究を進めるための分析の視座を得られた.また,実証分析を行う際に使用するデータセットについてもその構築に着手することができたため,本年度の研究については,おおむね順調に進展していると評価できる.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においては,労働基準監督官の規制執行活動の規定要因に関する先行研究のレビューを行うとともに,データセットの充実・拡充を行い,具体的な分析を行うこととしたい.また,2021年度は本研究課題の中間年にあたるため,最終年度の成果公開に向けて,研究内容の取りまとめを行っていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,年度途中の所属機関異動と,新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって,当初予定していた出張やデータ入力補助を依頼する学生アルバイト雇用が出来なかったために生じた残額である.2021年度においては,新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら,2020年度から繰り越した助成金とあわせて,必要な研究出張を実施したり,データ入力補助を依頼する学生アルバイトの雇用を行ったりする予定である.
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