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2021 年度 実施状況報告書

議会制の批判から擁護へ:モスカの現代的混合政体論の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K13411
研究機関早稲田大学

研究代表者

千野 貴裕  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00732637)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードモスカ / イタリア政治思想史 / 混合政体論 / 議会制民主主義 / 政治思想史 / 議会主義
研究実績の概要

本研究の問いと仮説は以下のものである。現代において、議会制民主主義に対する批判は世界的に高まっている。しかし、議会制に対する批判は今に始まったことではない。本研究は、20世紀前半のイタリアの思想家ガエターノ・モスカが、一時は同時代の議会批判と歩調を合わせつつも、ファシズム台頭の時代に議会制を擁護するようになった理由を検討することを目的としている。本研究は、モスカの態度変容の理由が、当時の政治状況だけではなく、混合政体論の現代的事象としての議会という理論的進展にあるのでは、という仮説のもと、研究を進めている。
本研究の第二年度(2021年度)も、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響を被り、当初予定していた海外での資史料の収集と学会報告が不可能であった。しかしながら、海外から本や論文を取り寄せることは引き続き可能であったため、ある程度は資料の収集・整理とその検討を続けることが可能であった。イタリアにおける混合政体論の系譜は、本研究が当初考えていたよりも複雑でありかつ根強いものであるとの理解を深めることができている。
具体的な成果としては、本研究の成果を盛り込んだ英語論文を英語圏の主要査読雑誌に投稿し、一本の論文を刊行することができた。また、同様に主要査読雑誌への投稿を考えている英語論文の草稿を執筆することができた。この草稿は改稿をした上で、最終年度(2022年度)中に、査読誌へ投稿することを目指したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度に引き続き、新型コロナウイルスの世界的拡大によって、海外に行かなければ入手できない資料の入手が困難な状況は続いている。また、ライフイベントの影響も続いている。これらの理由により、進捗は当初の予定よりも遅れている。しかしながら、英語査読雑誌に本研究の成果を盛り込んだ論文を掲載するすることができ、一定の成果を出すことができた。次年度(最終年度)は、本研究の、途中段階である程度まとまった成果を英語査読雑誌に投稿する予定である。

今後の研究の推進方策

上記したような理由により、研究は当初の計画よりも若干遅れており、英語論文の執筆に遅れが出ている。今年度は、所属研究機関により英語論文執筆の支援を得られる見通しがあるため、こうした支援も得ながら、英語論文執筆の速度を速め、早期に1本の論文を主要査読誌に投稿することを目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The Modern State and Future Society: Gramsci’s Two Conceptions of the “Ethical State”2021

    • 著者名/発表者名
      Chino Takahiro
    • 雑誌名

      The European Legacy

      巻: 27 ページ: 125~142

    • DOI

      10.1080/10848770.2021.2001888

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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