研究課題/領域番号 |
20K13417
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
小伊藤 優子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 高速炉・新型炉研究開発部門 国際・社会環境室, 博士研究員 (80827080)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 意思決定 / ベイジアンネットワークモデル / 原子力 / エネルギー / 安全保障 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、エネルギー政策と日米安保体制という2つの観点から高速炉開発に関する意思決定の過程を、ベイジアンネットワークを用いることで包括的且つ視覚的に捉えるモデルを構築することにある。 初年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて、研究計画を全体的に見直し、当初計画にあった対面インタビュー形式からアンケート形式変更して、意思決定データの収集に変更実施した。その結果、1950年代から今日に至るまでの原子力科学技術研究開発に携わる技術者(約1,600人)を対象とした意思決定データを初めて収集することができた。 また、アンケート調査に協力してくれた技術者のうち、研究開発初期(1950年代)の様子を知る技術者等に対しては、意思決定要因の分析等に役立てるとともに文書化されていない研究開発哲学・思想、体験等を記録するためにオーラル・ヒストリーの事前調査も実施し、研究開発史の充実に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当初計画を全体的に見直す必要が発生した。 当初計画にあった意思決定データの収集は、収集方法を対面インタビュー形式からアンケート形式に変更することで意思決定データの収集が可能となったが、研究協力者との対面(集合)形式での意思決定要因の整理及び条件付き確率の推定は、緊急事態宣言の発出により研究協力者の移動が困難となり、対面形式での実施を見送った。オンライン会議による代替策も検討したが、環境が整備されておらず、遅れが生じている。 これらのことから、全体としてはやや遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
起因事象が異なる意思決定の過程を包括的且つ視覚的に捉えるモデルの構築を達成するため、高速炉開発の政策過程に携わった当事者と日米安保体制に関する政策過程の研究に取り組む学識者・専門家が、一堂に会して意思決定要因を整理することと条件付き確率の推定を実施することを予定しているが、対面形式の調査・分析は、新型コロナウイルス感染症の感染状況及び自治体の対応方針等を考慮し、感染防止策を講じた上で実施を判断する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度において実施を予定していた海外の技術者へのインタビューと行政文書調査について、当初計画に追加して実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて令和2年度の実施を見送ったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、令和3年度に予定している海外の技術者へのインタビューと行政文書調査及び成果発表に係る費用並びにこれらを実施するために必要となる新型コロナウイルス感染症の感染防止策を講じるための費用として使用する。
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