研究課題/領域番号 |
20K13426
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南 和志 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (80865197)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 米中関係 |
研究実績の概要 |
本年度はコロナウイルスの影響で、当初予定していた海外での資料研究・学会参加は叶わなかったが、既に保有している資料をもとに、以下の実績を挙げた。まず、「The Vietnam War, Maoism, ant the Cultural Revolution: Propaganda and Mobilization in the People’s Republic of China」と題した論文が、Palgrave Macmillan社から出版予定の編著に掲載されることが決定した。この論文は、中国語の資料を用い、ベトナム戦争と文化大革命の関連を論じたものである。その中で、ベトナム戦争がいかにして中国政治を急進化させ、文化大革命の導火線となったのかを説明した。次に、「The Bottleneck of the Reform: China’s Oil Policy in the 1980s」と題した論文が、同じくPalgrave Macmillan社から出版予定の編著に掲載されることが決定した。この論文は、主に中国語の資料を用い、1980年代の中国石油外交の展開を明らかにするものである。その中で、中国がどのように海外石油企業と交渉し、油田の共同開発を通じてエネルギー問題を乗り越えたのかを説明した。これらの論文は科研研究の成果の一部であるが、現在準備中の研究書には収録しきれなかった内容であり、余剰の研究結果を有効活用できたと言える。さらに、9月下旬にオンライン開催されたアメリカ史学会にて、「冷戦期米中冷戦外交の展開」と題した研究シンポジウム発表を行った。アメリカ・中国の文化外交を専門とするコメンテーターに貴重な意見を得たほか、参加者からも有意義な質問を受け、その後の研究に反映することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はコロナウイルスの影響で、当初予定していた海外での資料研究・学会参加は叶わなかった。その代わり、博士論文を基にした書籍の原稿を完成させることができたほか、研究成果の一部を編著の形で掲載決定にこぎつけることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き冷戦期の米中関係について資料収集・論文執筆を進めていく。書籍の出版を達成し、同時に、書籍の中で取り扱うことができなかった研究内容を個別の論文として執筆・発表していく。ただし、その中で海外での資料調査が必要な内容もあるため、それらに関しては海外渡航が可能になり次第、精力的に進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの状況により、当初予定していたアメリカおよび中国での資料調査、学会参加が達成できなかった。これらに関しては、コロナウイルスの状況が改善次第、実施していく予定である。
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