研究課題/領域番号 |
20K13426
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南 和志 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (80865197)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 米中関係 / ベトナム戦争 / 文化大革命 |
研究実績の概要 |
コロナ禍の旅行制限により、引き続き海外における史料調査は思うように進まなかったものの、既存の資料をもとにある程度執筆を進めることはできた。最大の成果は、『People's Diplomacy: How Americans and Chinese Transformed U.S.-China Relations during the Cold War(仮)』と題した書籍について、Cornell University Pressと出版契約を結ぶことができた点である。この書籍が収録されるUnited States and the World Seriesはアメリカ外交史の分野では非常に高い評価を得ており、修正を経て、順調にいけば来年度中に出版される見込みである。また、本書籍は松下幸之助記念志財団の松下正治記念学術賞を得て、オープンアクセスで出版される予定である。そのほか、「The Vietnam War, Maoism, and the Cultural Revolution: Propaganda and Mobilization in the People’s Republic of China」と題した論文をPalgrave Macmillanの編著『Protest in the Vietnam War Era』の担当章として出版した。この論文は中国国内のベトナム反戦運動と文化大革命の関連を探るものであり、ベトナム反戦運動のグローバルヒストリーにおける中国の位置付けを明確化した。また、3月には感染状況の改善の折、ワシントンDCにて中国の石油外交に関する研究発表をおこなったほか、メリーランド州の国立公文書館で短期間の資料調査を行い、主に国務省関連の資料を収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた史料調査はまだ実施できていないものが多いものの、既存の資料で文章を執筆することはある程度できている。最大の目標であった書籍の出版にめどが立ったほか、論文の執筆についても進展しており、来年度は最低でも2本は海外の有名ジャーナルに投稿できる予定である。また、今後コロナ関連の規制が撤廃されるにつれて、史料調査も可能になり、この方面での遅れを取り戻すことができるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
書籍の修正を秋までに終わらせるとともに、現在執筆中の論文2本をまとめ、海外ジャーナルに投稿する。その一方、コロナ禍の様子を見つつ、海外史料調査(主にアメリカ)を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の旅行制限により、海外史料調査が予定通り執行できなかった。翌年度はアメリカでの史料調査は行える見込みだが、中国における史料調査に関しては不透明な状況である。
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