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2023 年度 実施状況報告書

南スーダン独立から10年における紛争アクター分析を通じた平和研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K13432
研究機関上智大学

研究代表者

小林 綾子  上智大学, 総合グローバル学部, 准教授 (50845146)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード紛争 / 平和 / 和平合意 / 国際仲介 / 保護する責任 / 文民保護 / 国連
研究実績の概要

本研究は、紛争アクターの特徴を理解することにより、国連平和活動の改善策を検討することである。3つのサブテーマとして、(1) 紛争アクターの特徴を理論的に整理すること、(2) 国連平和活動の変遷を整理すること、(3) そして紛争当事者から見た国連の政策上の課題を指摘すること、を設定した。(2)は査読付き論文として2021年に成果をまとめたため、(1)および(3)について、2022年度に続いて研究を継続した。
上記(1)にあたる研究として、2023年3月に出した査読付き論文「紛争再発と和平合意」をもとに、慶應大学で報告する機会を得た。また、上記(3)にあたる国連政策上の課題に関し、国連で非公式だが重要なアクターを指す『第三の国連』と題する英語書籍の書評を書いた。さらに、2023年11月、「文民保護と保護する責任の二十年」と題する書評論文が学術雑誌『国際政治』で刊行された。
感染症および安全上の課題により、現地調査が困難であったため、アーカイブ調査に切り替えた。アーカイブ調査により、紛争アクターの特徴分析と国連政策上の課題を合わせたかたちで、紛争影響国で、UNHCRによる国内避難民支援はどのように始まり、紛争研究からどのような指摘ができるかをまとめた。2024年3月、査読付き論文として『難民研究ジャーナル』に掲載された。
引き続き、海外アーカイブ調査や現地調査を継続して書籍や論文の刊行を目指しているほか、紛争アクターと国連の役割のさらなる研究として国家性や分離独立に絡む課題に関する書籍の翻訳にも着手し、2024年度中に刊行予定となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地調査ができないために当初の予定を変更せざるを得なかったが、アーカイブ調査に切り替えたことにより、歴史的な研究やかつては明らかでなかった事実関係を明らかにすることができたため。

今後の研究の推進方策

本研究について、科研費使用が1年延長して認められたため、これまで得た知識を踏まえながら研究発信に努める。具体的には、南スーダンに関する書籍、国際機構論に関する書籍、紛争解決学に関する書籍、国家性と分離独立に関する翻訳書、人道アクセスと和平交渉に関する英語論文等の執筆が決まっている。今年度より「地位政治と和平交渉」と題する研究(基盤研究(C))を開始するため、以上をまとめながら、国家・非国家主体による地位政治に関する研究につなげていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

感染症および安全上の問題から、複数年にわたって現地調査ができなかったために次年度使用額が生じた。研究成果発信のための書籍購入費や資料収集の旅費として使用する予定である。状況が許せば現地周辺の聞き取り調査の旅費に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] UNHCRによる国内避難民支援のはじまり―1950年代後半から1960年代前半のアルジェリアを事例として2024

    • 著者名/発表者名
      小林綾子
    • 雑誌名

      難民研究フォーラム

      巻: 13 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 文民保護と保護する責任の二十年―強制から非強制措置へ、介入から予防へ2023

    • 著者名/発表者名
      小林綾子
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 211 ページ: 140-149

  • [雑誌論文] (書評)タティアナ・カラナニス、トーマス・G・ウィース『第三の国連』オックスフォード大学出版局、2021年2023

    • 著者名/発表者名
      小林綾子
    • 雑誌名

      国連研究

      巻: 24 ページ: 179-184

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公開日: 2024-12-25  

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