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2022 年度 実施状況報告書

私的情報保護のメカニズムデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 20K13456
研究機関明治学院大学

研究代表者

岡本 実哲  明治学院大学, 経済学部, 准教授 (70826627)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードメカニズムデザイン / マーケットデザイン / ゲーム理論 / オークション / 投票 / 私的情報保護 / 展開型ゲーム
研究実績の概要

本研究の目的はメカニズムデザインや暗号理論の知見を利用して、「どのような好みを持っているのか」や「人々がどのようにモノを購入しているのかのか」やなどの私的情報を保護しつつ、望ましい資源配分を実現することである。2022年度までの研究では、主にオークションと投票制度に関して情報をうまく扱うことができるルールの設計をしてきた。
財の販売において、各個人が「その財を購入するのに最大でいくらまで支払ってもいいか」の評価値はとても重要な私的情報である。オークションでは、この評価値に関する情報が主催者のもとに集まり、場合によっては他の参加者のも開示される。例えば、封印型第二価格オークションでは、評価値を正直に申告することが支配戦略となっているため、基本的にはすべてのオークション参加者の評価値がそのまま主催者のもとに集まってしまう。主催者としては多くの情報が集まることは嬉しいが、私的情報保護の観点としては望ましくない。そこで、できるだけ主催者のもとに集まる情報を少なくできるオークションメカニズムについて分析した。結果、効率性を満たすメカニズムのなかで参加者が表明する情報がパーティションの考え方でもっとも少なくなるのはクロック型の競り下げ式オークションであることを示した。この研究については"Privacy Preservation and the Descending-Bid Dutch Auction"という論文にまとめているところである。
また投票制度に関する研究では、有権者が表明する情報が限られた状況での投票ルールについて分析した。具体的には、有権者が一部の候補者への評価を表明しない、もしくは表明できないときを考えている。この研究"Accoutable Voting"という論文にまとめ、現在は学術雑誌に投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

オークションや投票などの制度設計について理論的な研究はおおむね順調に進めることができている。しかし、当初予定していた設計した制度の実験研究についてはコロナ禍の影響もあり進めることができていない。また、研究発表の機会について、ほとんどがオンラインでの学会参加となっており、対面での参加ができていない。そのため、当初予定していた通りには研究に関しての意見交換ができていない。

今後の研究の推進方策

2023年年度の研究では、これまでのオークションや投票で得られた研究成果を他の制度設計にも応用できるように一般化することを考えている。また、最終年度であるため、これまでの研究成果をまとめて学会発表や学術雑誌への投稿などをしていきたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため参加予定の学会に参加できなかったり、オンラインでの実施となったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] 研究者本人のホームページ

    • URL

      https://sites.google.com/site/noriakiokamotoeconomics/

  • [備考] researchmap

    • URL

      https://gyoseki.meijigakuin.ac.jp/mguhp/KgApp?resId=S000502

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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