向社会行動は人間社会にとって極めて重要である。人間は相手の期待を裏切ることに罪悪を感じるため向社会的に振舞うことが知られており、これは罪回避行動と呼ばれている。本研究では、罪回避行動の神経基盤、性差、文化差などを明らかにしてきた。①男性の方が女性よりも罪回避行動をする、②男女共通の罪回避行動の認知基盤は共感であるが、男性のみに規範(rule-based decision)がある、③罪回避行動の神経基盤として男性にのみ背外側前頭皮質と内側前頭皮質の結合(先行研究でセルフコントロールや社会規範とかかわるといわれている脳結合)が要求される、など様々なことが明らかになった。
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