研究課題/領域番号 |
20K13465
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
笠井 高人 同志社大学, 経済学部, 准教授 (90755422)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | カール・ポランニー / 成人教育 / 大戦間期 / イギリス |
研究実績の概要 |
コロナウィルスの拡大により、海外渡航がかなわなくなったため、当初予定していたスケジュールの変更が求められた。渡航によって入手する予定であった資料は獲得が難しく、また国際学会での報告も限られたため、本年度は、既に入手済みの資料や国内で入手可能な資料の読解に努めた。たとえば、本研究の主題であるカール・ポランニーのイギリス時代における労働者教育の実態だけでなく、その周辺領域も研究の射程として捉えることで、研究を少しでも前進させることとした。具体的には、イギリス労働者教育の史的変遷や、ポランニーの経済思想における国際関係論の取扱いを考察した。 労働者教育については、大学拡張運動の一環としてトレードユニオンとの協力のもとイギリスで進められたため、企業外における人的資本の形成につながる。しかしながら、それは具体的な業務に必ずしも直接結びつくものではない。とりわけポランニーが担当したイギリス社会経済史や国際関係論は、当時の労働者の教養教育や市民教育にあたいする。とりわけ、戦間期において市民が国際関係論を学ぶことで、市民運動等によって外交政策に影響を与える道を開くことを企図するポランニーの態度が観察できる。これは、今日韓国などで盛んなポランニー思想に依拠する市民団体の行動と親和的であると理解できる。 またポランニーの国際関係論が、主著執筆以前は経済状況をあまり考慮せずに考察されていること。『大転換』で20世紀の危機の原因を金本位制に見たポランニーとは力点が異なることが確認された。ポランニーの経済論の形成過程を追うことが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの拡大のため、渡航による資料収集がかなわなかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの収束が現状では不透明なため、当初の予定をやや変更して、資料的限界を残置したうえで、解読を進めて、研究を前進させる必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため海外渡航がかなわなかったから次年度使用額が生じた。今年度は国内の資料収集につとめつつ、渡航の機会をうかがう。
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