本研究では、パネルデータを用いた因果推論にかかわる、下記2点の研究成果を得ることに成功した。 (1) 一般的な動学構造をもつ原因変数のための因果推論手法の開発。より具体的には、2つ以上の値を取りうる、かつ、その値が時点ごとに変化しうる原因変数を想定し、動学的な因果効果について調べるための差分の差分法を開発することに成功した。 (2) 動学的な因果効果が他の要因にどれほど依存するかを調べるための因果推論手法の開発。より具体的には、差分の差分法のための既存フレームワークにおいて、観測可能な共変量を条件づけたときの平均的な因果効果を調べるための因果推論アプローチを開発することに成功した。
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