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2020 年度 実施状況報告書

調達される財の属性ごとのスコア入札導入の効果の実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K13478
研究機関横浜国立大学

研究代表者

鶴岡 昌徳  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30756078)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード総合評価方式 / 価格競争入札 / 価格と品質
研究実績の概要

公共工事の調達の市場はGDPの3-6%を占めており、失業率などマクロ経済への影響もあることから非常に重要な市場である。橋やトンネル工事などの公共工事を調達する際に、政府は入札を行っている。工事を発注する際に、政府は価格だけでなく品質にも注意を払うので、スコアリングオークション(以下、スコア入札)といわれる入札方式が近年世界的に使われるようになってきている。スコア入札とは、価格と品質の両面から競争する入札方式である。本研究では、「スコア入札が価格のみで入札者が競争する入札方式(以下、価格競争入札)に比べてどのくらい政府の便益を大きくするのかを測ること」及び「工事タイプごとにスコア入札導入の効果が異なっているか否かを測ること」を公共工事の調達データを使って行う。これらの問いに答えるために、品質が重要でかつ技術的難易度の高い工事にスコア入札が使われる場合と技術的難易度の低い工事にスコア入札が使われる場合のそれぞれにおけるスコア入札の効果を価格と構造物の耐久性などの品質の両面から分析する。これらの分析を行うために、プログラム評価の方法といわれる計量分析の方法を使った。
予備的な結果ではあるが、今のところ得られている結果は以下の通りである:スコア入札は、価格競争入札と比較して、橋梁工事のような大規模で難易度の高い工事には価格と品質の両面で改善するということがわかった。つまり、スコア入札の導入により、品質が改善するだけでなく、価格も下がるということである。その一方で、塗装工事のような小規模で単純な財についてはスコア入札が価格競争入札と比較して価格や品質を改善するという効果はないこともわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により研究報告を多く行うことはできなかったため、論文執筆を中心に行った。研究報告については、大阪大学にて行われた研究会にて行った。論文執筆については、ある程度論文のひな型はできているという段階である。

今後の研究の推進方策

次年度も新型コロナウィルス感染拡大の影響により研究報告を多く行うことは難しいことが予想される。論文執筆については、ある程度論文のひな型はできているので、今後はその論文が完成次第、英文校閲に送って国際学術雑誌に投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大により、国際学会が中止になったため。次年度は英文校閲をして論文の質を高めつつ、国際学術雑誌に投稿する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] The Effects of Scoring Auctions on Bidder Collusion: Evidence from Public-works Procurement2020

    • 著者名/発表者名
      Masanori Tsuruoka
    • 学会等名
      Osaka University Industrial Organization Conference
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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