公企業と私企業が併存する市場を混合寡占市場という。公企業は私企業とは異なる意思決定をすることが予想されるので、私企業のみの寡占市場とは異なる性質を持つ可能性がある。こうした市場の性質を明らかにすることは、市場への介入や民営化政策について議論する際に有用である。本研究はこうした問題意識を背景に、混合寡占市場における競争構造の内生化に外部性が与える影響について考察した。 本研究は外部性が存在する場合に内生的に達成される市場の構造は、外部性が存在しない場合に達成される市場の構造とは異なる場合があることが示した。こうした結果は外部性が存在する混合寡占市場の性質に関する知見の蓄積に貢献があると考える。
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