本研究課題の学術的意義は日本の経常収支の決定要因を明らかにしたことである。多くの国や地域の経常収支の決定要因が分析されてきたが、日本の経常収支を扱った研究は限られており、人口動態と生産性成長率が主要因であることを指摘したことに意義がある。社会的意義は日本の経常収支の長期的見通しを示したことである。経常収支は一国の対外的な経済取引を表したものであり、国内の貯蓄や投資のバランスも表している。経済政策を運営するための重要な指標の一つであるため、少子高齢化の進展により今後も低下圧力がかかることを明らかにしたことの意義は大きい。
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