研究課題/領域番号 |
20K13535
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
笵 鵬達 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 助教 (60847391)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 女性活用 / 二酸化炭素の削減 / CSR |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、女性活用は企業価値増大に寄与できるとすれば、その要因にどのようなものがあるかを、明らかにすることである。女性役員の登用によって、企業価値が高まるかどうか、そして、すべての企業に対して、女性役員のクオータ制を導入すべきか、確定的な知見はまだ得られていない。そのため、本研究は異なる成長ステージの企業をそれぞれ検証し、女性活用の効果を究明しようとするものである。 今年度は、これまでの先行研究をまとめあげた上で、データベースを構築した。具体的には、①まず、新規株式公開目論見書から子会社上場に関するデータ(親会社の証券コード、親会社の持ち株比率、親会社の売り出しなど)を手入力した。②株式公開白書から、公開価格や申請日の情報を手入力した。③Nikkei Needsから株価日次情報、財務情報を整理した。④有価証券報告書から、新規株式公開後の親会社の持ち株比率を取得した。⑤東洋経済から購入した役員の情報を使い、親会社と上場子会社の役員の兼任をマッチングした。 以上により、データベースの構築が完了し、実証分析を行った。女性役員の登用は、二酸化炭素の削減に貢献できる結果が得られた。また、女性が社内か社外取締役かによって、異なった結果を得た。女性社外取締役の登用が二酸化炭素の削減に貢献できるのに対して、女性社内取締役は貢献できないことが分かった。以上の結果は、女性社外取締役を積極的に採用すべきだという結果を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
理由:実証分析が終わり、論文のドラフトを書いており、 年度内に一本目の論文を国際学術誌に投稿を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
当初は、女性登用の増加と投資家の関心(個人投資家や機関投資家のベース)との関係を検証する予定だったが、データの関係で(予算の関係で、機関投資家のデータベースを購入することが難しいため)、方向性を少し変更し、今後は、女性役員の登用が二酸化炭素の削減に寄与できるかの検証を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の関係で、予定していた海外学会に参加することができなかったため、残額が生じた。次年度には、ジャーナルの投稿費用、英文校正費用と学会の参加費を予定している。
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