現在も進行する経済グローバル化の歴史的過程を紐解くと,18世紀にヨーロッパ諸国が展開したアメリカ大陸やアジアとの貿易は重要な発達期として位置づけられ,多くの研究が蓄積されてきた。しかし,従来の研究はアメリカ植民地およびアジア諸国と直接関係をもった西欧海洋諸国に対象が集中してきた。それに対して本研究は,中欧内陸部に位置するドイツ・ザクセン地方において,18世紀の経済グローバル化の社会経済的・制度的影響がどれほど及んでいたのかを測定し,世紀後半に規制緩和と流通・消費の拡大が進んだことが判明した。これにより,辺縁地域における経済グローバル化が明らかになった。
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