研究課題/領域番号 |
20K13551
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研究機関 | 飯田市歴史研究所 |
研究代表者 |
太田 仙一 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (60826147)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経済史 / 蚕糸業 / 地域社会 / 戦後史 |
研究実績の概要 |
本年度は天龍社史料の目録再整備に着手した。作業担当者に1名依頼して目録の再作成・史料保存箱の詰め替え・中性紙封筒への入れ替えなどを行った。50箱程度の史料の再整備が完了した。目録についても、作業完了分についてはデータの整理・確認を進めており、順調に確認を行うことができたと考えている。目録については、これまでは一括でとられていた封筒や箱に入っていたものもより詳しくとる方式にしたため、史料の所在状況や内容についてより詳しく調査研究を行っていくことができる体制が整いつつある。これらの史料の中でも特に青年たちの活動に関する部分について、同時代の青年団運動との兼ね合いも視野に入れつつ史料の読解に取り組み始めることができた。 研究面では特に、戦後蚕糸業史への理解を進めるために、各種研究文献の購読・検討を進めるとともに、コロナを踏まえたオンライン環境を重質させて、オンラインでの研究会などに参加・聴講した。勤務する飯田市歴史研究所の業務の一環として、オーラルヒストリー(聞き書き)の書籍作成に参加する機会も得ることができた。戦後蚕糸業史研究と直接つながるものではないが、聞き取りの手法を学ぶ貴重な機会・戦後の飯田下伊那の地域社会への理解を深める契機にもなったと考えている。また、明治期の下伊那の経済に関する論文を執筆するなど、飯田下伊那の近現代の地域社会と経済についての検討を少しずつ深めることができた。 一方で、本研究を直接のテーマにした学会報告などをする機会が持てなかった点は反省点であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルスのため遅延していた天龍社史料の目録再整備を2021年度は本格的に開始することができた。作業は順調に進展している。一方で、学会報告などを行うことはまだできていない。天龍社史料の再整備の成果を踏まえて、その資料を読解して研究成果を学会報告や論文の形式で発表することに早急に取り組みたいと考えている
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今後の研究の推進方策 |
史料の再整備を進めるとともに、本格的な資料の研究と研究成果の発表に取り組む。とくに戦後の天龍社につとめた青年たちの労働運動などについて、同時代の長野県の青年団の活動との比較を視野に入れつつ研究に取り組んでいきたい。 史料の再整備・目録作成については、今年度で完了させることを目標としたい
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症流行のため天龍社史料再整備が遅れたため。遅れていた目録作成業務などに使用する人件費に持ちいるため。また、コロナウイルスの影響で県外の調査・学会参加のための旅費使用ができなかったため
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