研究課題/領域番号 |
20K13577
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
大村 鍾太 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (40724050)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サプライチェーンファイナンス / ブロックチェーン / プラットフォーム / サプライチェーンコーディネーション |
研究実績の概要 |
研究初年度となる令和2年度は、当初の研究計画の1つの柱である、理論的アプローチによる効果的SCF(サプライチェーンファイナンス)プラットフォームの導出に向けた文献調査およびモデル検討が主な研究実績である。 基本モデルとしてブロックチェーン技術が持つトレーサビリティがサプライチェーンの取引を連続的なものに変えることを前提としてモデルを作成した。研究開始時点での事前研究をもとにモデルと分析を進め、リアルタイムのレベニューシェア契約によるサプライチェーン全体の改善を示している。顧客を巻き込んだプラットフォームにより、サプライチェーンを構成する企業間の発注量に関する意思決定が変わり、企業の利益とリスクの変化が起きることがサプライチェーンの改善をもたらす。次年度にはこの成果を研究論文として発表する予定である。 研究計画の作成時点に比べ2019年から2020年に本研究に関係するブロックチェーン技術のサプライチェーンへの応用を研究する学術的研究が多く発表されている。IoTなどを含めたテクノロジーの側面からの研究も含め情報収集しながら、本研究の数理モデルへの応用を試みているが、上記基本モデルへ反映するまでには至っていない。 研究計画のもう1つの柱となる、実務でプロトタイプ運用が進むSCFプラットフォームの分析については、分析可能で本研究に有効だと思われる対象を見つけられず進んでいない。本研究と関連性が強い事例として中国の自動車小売業の取り組みが発表された。次年度はこのプラットフォームも候補として追加し情報収集及び分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の一方の柱である、実務でプロトタイプ運用が進むSCFプラットフォームの分析において、分析可能で本研究に有効だと思われる対象を見つけられていないことが主な理由である。また関係する学術研究も増加し、その内容についても数理モデルに応用することがうまくできておらず、当初の想定より研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き現在の研究方法を進めるが、既存のプラットフォーム分析に関しては、産業を絞るなどの対策で研究を推進することも視野に入れる。特に食品のサプライチェーンに絞ることを視野に入れる。在庫ファイナンスについての先行事例はウイン農家の事例であり、国内でも食品のサプライチェーンへのブロックチェーン技術の応用は取り組まれているため、比較的情報が得やすいと考えられる。食品のサプライチェーンの調査も並行して行い、研究推進のための方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に国際学会等への旅費を想定していたが、参加が難しくなったこともあり、当初の想定と異なる支出となった。新型コロナの状況に応じて使用計画は変更する予定である。
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