研究課題/領域番号 |
20K13578
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研究機関 | 大阪女学院大学 |
研究代表者 |
船越 多枝 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 准教授 (50801776)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がんサバイバー / インクルージョン / ダイバーシティ / 活躍推進 / 深層的 / 多様性 |
研究実績の概要 |
2020年度においては、本研究課題に対する文献検討と予備的調査(パイロット・インタビュー)を計画していた。文献検討については、がんサバイバーの職場における活躍と課題について、まず現状を見出すべく、(1)厚生労働省及び国立がん研究センターなど、信頼できるデータベースから得たがんとがん患者の就労にかんする資料の整理と分析 (2)がん罹患者と仕事の両立に関する書籍・文献のレビューを行った。それに加えて、(3)ダイバーシティとインクルージョンにかんする近年の研究、また、本研究に関連すると思われる心理的安全性などについての先行文献レビューを実施した。また、予備的調査については、企業にて活躍を続けるがんサバイバーの調査協力者を得て、オンラインにてインタビューを実施した。これにあたり、今後の定性調査のベースとなるインタビュー・ガイドラインの開発を行った。本インタビューについてはデータ整理を行いつつ、引き続き、同カテゴリーの他協力者についてインタビュー実施の調整を進めている。一方で、コロナ禍の影響で、予定していた企業関係者や医療関係者に対するパイロット・インタビューは実施に至ることができなかった。ただ、これらの対象者についても、インタビュー・ガイドラインの作成には着手しており、今後の準備を進めている。しかしながら、今後のコロナ禍の状況次第では、引き続きパイロット・インタビューの実施に困難を伴う可能性がある。その場合は2021年度以降に予定していたケース事例分析の情報収集を優先して進めるなど、柔軟な対応が取れるようにしたいと考えている。この点からも、継続して情報収集と文献調査を行っていく必要があると認識しており、これらを平行して進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題が医療に関係する点、また企業のコロナ禍対応から、2020年度の状況下においては、医療関係者や企業関係者といった調査協力者とのアポイント調整が困難となり、パイロット・インタビューの実施に遅れが生じている。また自身においても、コロナ禍における教育責務への対応から、予定していた研究へのエフォート配分に想定外の影響が生じた。そのため文献検討などは可能な限り計画に沿って進めたものの、その内容についての取り纏めや発表にやや遅れが生じている。これらの点を踏まえ、上記の区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、現時点で検討を行った文献について取り纏め、学会や論文で発表を行っていくこととし、また2020年度に予定していたパイロット・インタビューについて、2021年度はオンラインツールを一層活用するなどして、その実施に注力していく予定である。それらに加え、2021年~2022年度に計画を予定していたインタビュー調査及び事例研究にも可能な限りアプローチを行い、研究を進めていきたいと考えている。一方で、コロナ禍の調査への影響が2021年度以降にも及ぶ可能性も視野に入れ、研究課題に関連した幅広い文献レビューを継続し、今後の状況に応じて、調査の実施順やアプローチ方法に柔軟な対応を行えるよう備えていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に、コロナ禍により2020年度に計画していたパイロット・インタビュー実施が困難となり、予定していた出張を伴うインタビュー調査が2021年度以降の見込みとなったことによる。同パイロット調査は、2021年度に実施する計画である。
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