研究課題/領域番号 |
20K13583
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
一小路 武安 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (80636390)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | IPO / ベンチャー企業 / ダイナミックケイパリティ / ビジネスモデルイノベーション / 多角化 / 組織アイデンティティ / ダイバーシティ |
研究実績の概要 |
今年度は定量的な手法に基づいての検証を行うことに主眼を置いて検討を行った。特に環境が経営者の判断にどのような影響を与えるのかという観点から主として研究を実施している。 IPOという経営者にとって重要な判断に環境が影響を与えるのかという点に関して検討したものである。日本の経済環境がホットマーケットに移行した2012年末(アベノミクス開始時)を転換点とし、IPOした企業をターゲット市場、サンプル企業の属性(起業形態)、実際の設立時期などの変数で分析した。その結果、経済的に恵まれた環境で活動する企業では、起業からIPOまでの平均期間が比較的長いことが明らかになった(Ichikohji,Nakano&Ogami, 2022) 。 もう一つは中小企業における経営判断に直接つながるダイナミックケイパビリティとビジネスモデルイノベーションの関係性について検討したものである。両者を構成している個々の要素の関係性を明らかにしたうえで、それぞれの関係性を明確にセンシング能力-価値獲得、セイジング能力-価値創造、トランスフォーミング能力-価値提案の間には、環境ダイナミズムの負のモデレーション効果が見出された(Huang&Ichikohji, 2022)。 さらに昨年度より引き続き、有価証券報告書を主要なデータベースとして、二つの研究を行っている。一つは多角化の成果に影響を与える要因として組織アイデンティティをコアな概念としたフレームワークを構築し、検討を行っていることである。もう一つは組織のトップマネジメントチームのダイバーシティが成果に与える影響について、検討を行っていることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究そのものの進捗は決して順調とは言えなかった。これは当該年度の後半の校務の負担が想定以上に重く、研究へのエフォートが当初の想定を下回ったためである。しかしながら、前年度の研究進捗が想定以上であったため、総合的にはおおむね順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は有価証券報告書を主要なデータベースをとした研究について引き続き、取り組み、きちんとした成果に結びつけることが目標となる。しかしながら、当該年度と同様、次年度においても校務負担が計画段階よりはるかに重いことが想定されるため、研究にいかにエフォートをかけるかについて、校務とのバランスのマネジメントを工夫して新しい研究スタイルを確立していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の後半に研究費の執行を予定していたが、校務負担が想定以上に重く、研究へのエフォートをかけられる状況になくなってしまった。当該年度の後半に使用予定であった研究費を次年度の研究として執行することで対応することにしたい。
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