研究実績の概要 |
本研究の目的は日本企業における情報セキュリティ組織の在り方について明らかにすることであった.令和5年度については,令和2年から4年までに遂行してきた,情報セキュリティ組織の構造化についての理論化,本研究のための研究方法の策定などの積み重ねの上に,実際に情報セキュリティや組織の継承に関係する人々との会合に出席するなどして,コミュニティの参与観察やインタビューを行うとともに,それについて研究発表を行った.本研究の実績として,令和5年度においては,論文1本「スマートロースターと焙煎士の相互行為を通した新製品開発の可能性」,翻訳書『語る組織ーストーリーテリング・オーガニゼーションズ-』(原書者Boje, D. M.),学会報告3本を行った.論文1本「スマートロースターと焙煎士の相互行為を通した新製品開発の可能性」を通じて,組織の継承の問題について論じた.また,翻訳書『語る組織ーストーリーテリング・オーガニゼーションズ-』は,組織の生成と継続についての最新の知見を明らかにするもので,本研究プロジェクトにはならなくてはならない書籍であった.学会報告でも,情報セキュリティについての現状あなどについて議論した. 研究期間全体を通して,論文2本,共著での書籍4冊を発表した.これらの研究業績から,情報セキュリティ体制はもちろんのこと,組織の在り方という視点から経営組織論の発展について議論してきた.4年の研究期間を通して,経営組織における情報セキュリティ体制の位置づけ,そして,情報セキュリティ組織を構築し継承することについて参照可能な組織理論の検討,それらに基づいたインタビュー調査と実証を行った.
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