令和5年度は、主に以下の事項について研究を行った。 1.RFIDデータクレンジング手法について RFIDの特性により、本研究で取扱うデータをシミュレーションモデルのインプットデータとして利用するには、ノイズ(エラーや不要なデータ)が存在している。昨年度で提案したノイズ除去アプローチで開発したデータクレンジングプログラムは一定な効果が見れたが、ノイズ種類(①「行ったり来たり型」誤受信ノイズ、②「同一位置重複記録型」ノイズ、③「階飛び型」誤受信ノイズ)によって、クレンジング後の改善効果も異なる。原因究明のために、各種タイプのスタッフ、および患者(エンティティ)のデータを抽出し、処理を行った。各種タイプのエンティティに対してのノイズ処理効果を比較し、評価を行った。また、その原因について分析して、改善方法を検討した。 2.プロセスマイニング手法の応用について 情報システムのログデータを解析するために、プロセスマイニング手法が応用されている。プロセスマイニングは、業務プロセスの処理パターンをイベントログデータの蓄積により可視化し、改善ポイントを具体的に特定することで業務効率化を支援する手法で、リアルタイムでの応用も期待される。プロセスマイニング手法を用いて、本研究で収集したRFIDデータの活用可能性を検討した。また、プロセスモデルを自動生成するのためログデータに必要となる項目とRFIDデータで収集した情報を比較し分析を行った。
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