研究課題/領域番号 |
20K13602
|
研究機関 | 事業創造大学院大学 |
研究代表者 |
岸田 伸幸 事業創造大学院大学, 事業創造研究科, 教授 (30736814)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 在宅ケア / 作業分析 / 実証実験 / COVID-19対策 / 延期 / DX |
研究実績の概要 |
本研究は、在宅ケア現場でのモバイル機器導入の効果を測定し医療経済的な価値を評価することを目的に、省力型遠隔観察システムを開発して複数の在宅ケア現場に設置して継続的な定点観察を行うものである。言い換えれば、本研究はいわゆるDX;デジタルトランスフォーメーションの在宅ケア現場での価値評価;イノベーション測定を行うもので、それを通じ在宅ケア品質の向上と安定、訪問系ケアギバーの労務改善と技能継承、地域包括ケアシステムの効率化と省力化など、関係諸方面の課題解決に向けたマネジメントに資する、経済評価の基礎を提供することを目論んでいる。そのために、在宅ケア現場をネットワークする地域ケア情報連携基盤を運営する地域NPOの協力の下、個別在宅ケア当事者・関係者らの承諾を得て実証実験を行う計画である。しかし、2020年初前後から全世界的に拡大したCOVID-19防疫対策のために、本研究への協力を見込んでいた地域NPOおよび在宅ケア関係者らが忙殺されてしまい、また、在宅ケア現場に研究者・技術スタッフなど地域外からの外部者の立ち入りを許す本件の実験設計を受け入れる余裕が失われてしまった。このため、今年度中に実施することが不可能となった。それ故、悪疫禍が終息しケア現場が正常化するまで、本研究の実証実験着手を延期せざるを得なくなった。なお、延期の期間を利用して、本研究の早期再開のため、実験設計に伝染病防疫対策を加味した改善を検討すると共に、急速に革新が進む遠隔観察技術動向の情報収集に努めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19流行の発生により、在宅ケア現場に研究協力者が立ち入って、遠隔観察システムの設置や調整を行うことを含む本件実証実験への承諾を、在宅ケア当事者・関係者、地域ケア情報連携団体ほかから得ることが当面不可能になり、進捗が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
基本的にはCOVID-19流行の終息を待って本研究を推進する方針である。但し、悪疫終息後も完全に従来の状況に復することは楽観できず、いわゆる「withコロナ」の状態が長期間続くことも想定しなければならない。このため、実験延期中の期間中には、新たに防疫対策を加味して実験設計やシステム構成を改善し、在宅ケア現場に当事者とケアギバー以外の技術スタッフなどが立ち入る可能性が最小限になるよう、研究再開の準備を進めてゆく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年初前後から顕在化した世界的なCOVID-19流行により、実証実験遂行のため在宅ケア現場に立ち入る必要がある本研究に対する、ケア当事者、関係団体等の協力承諾が当面得られなくなったため、当該年度に予定していた実証実験は延期を余儀なくされた。このため、本助成金を充当する予定だった実証実験関係の支出も実行されなかったため、次年度使用額が発生した。この悪疫終息時期を正確に見通すことは困難だが、2021年度中にはワクチン接種済人口が過半数を占めるなど防疫対策の十分な進展が予想されるので、実験計画へ十分な防疫対策を加味するなどを通じ、来年度中になるべく早期の実証実験着手を図り、本件助成金を使用する計画である。
|