少ない在庫投資に対して大きな売上高を実現している企業は在庫リーンネスの程度が高く、在庫を効率的に活用していると評価できる。しかし、在庫を効率的に活用していることが収益性に対してどのような効果を及ぼしているのかは、未だ一貫した結論が示されていない。本研究は、小売企業の収益性に及ぼす在庫リーンネスの効果について仮説を導出し、その妥当性を経済産業省企業活動基本調査を利用して作成したデータを用いて検証した。その結果、在庫リーンネスは小売企業の収益性に対して正の影響を及ぼすこと、そして、収益性に及ぼす在庫リーンネスの効果は、情報システム化の水準が高い状況において、より強められることを明らかにした。
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