| 研究課題/領域番号 |
20K13624
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| 研究機関 | 法政大学 |
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研究代表者 |
猪狩 良介 法政大学, 経営学部, 准教授 (00824468)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 購買間隔モデル / 顧客関係性管理 / 統計的データ融合 / 階層ベイズモデル / マルコフ連鎖モンテカルロ法 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は複数チャネルおよび競合店舗における購買行動を考慮した購買間隔モデルを開発することである。本年度は、自社店舗と競合他社店舗における購買を考慮した購買間隔モデルを開発した。購買間隔モデルや顧客関係性管理の諸モデルなどでは、一般的に自社データベースの利用を前提としているが、自社データベースには他社店舗における購買が記録されていない。そのため、消費者が競合店舗で購買を行っている場合は、自社データベース上に観測される購買間隔は複数の購買間隔の合計となり、その合計データを分析して得られた推定結果はバイアスがある可能性が高い。そこで、観測される購買間隔の和から、自社店舗と競合店舗のそれぞれの購買間隔モデルを推定する方法を提案した。具体的には、欠測する他社店舗における購買回数を予測するために、統計的データ融合により複数のデータセットを融合する方法を提案した。また、自社店舗と競合店舗のそれぞれの購買間隔モデルを分離して推定するために、マクロ情報を個人レベルの購買間隔モデルに組み込む方法を提案した。また、提案手法は準ベイズ法を用いて表現し、マルコフ連鎖モンテカルロ法によって推定する方法を提案した。シミュレーションデータおよび実データ分析により、既存手法では購買間隔モデルを適切に推定することが困難であるが、提案手法では適切に推定できることを示した。また、実データ解析により、自社データベースで得られる情報のうち、他社店舗での購買に影響を与える要因について明らかにした。結果は論文としてまとめ、現在海外誌に投稿中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始1年目で、1つの論文を仕上げて投稿することはできた。しかし、当初立てた予定よりも進捗が遅れたことは否定できない。本研究は膨大なシミュレーション計算を必要とする研究であり、計算のための研究環境が必要となる。しかし、新型コロナウイルス感染拡大を受け、必要な研究環境の利用が困難な時期があったことが、進捗が遅れた原因としてあげられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き関連テーマについての研究を実施する。具体的には、当初の研究予定であるマクロデータを盛り込んだ購買間隔モデルの開発と、他社への離反行動と自社への回帰行動を組み込んだ購買間隔モデルの開発を実施する。いずれの研究についても、既に文献レビューおよびデータ整備は進めており、今後はモデル構築とシミュレーションによる検証、実データ解析を実施する予定である。加えて、2021年度中に、前者の研究については論文執筆まで進める予定である。また、2020年度は新型コロナウイルスによる影響から学会発表を1回も行えなかったこともあり、積極的に研究成果の発表をしていく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルスの影響により、参加を予定していた学会出張が全てキャンセルになったため大幅に残額が生じた。その一部は、オンラインミーティングのツール導入費などにあてた。また、2021年度も引き続き新型コロナウイルスによる影響で、学会中止・オンライン開催への変更などにより、当初想定よりも旅費を使用しない可能性がある。その分は一部の研究を前倒し実施することによるデータ購入費、オンラインミーティング環境の拡充費用などにあてることを検討し、研究が滞ることを最小限に抑えたい。
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