視線計測技術を駆使した近年の研究により、選択行動の情報処理メカニズムが徐々に明らかになってきている。しかし従来の研究では、店舗での陳列に見られるような選択肢の空間的広がりや配置の要因が排除されており、実生活における消費者の選択行動が十分に理解されているとは言いがたい。そこで本研究では、選択肢の配置が消費者の選択や視線に及ぼす影響を実証的に検証することを目的とした。コンピュータモニタや模擬的な商品棚を用いた実験、およびWeb上での実験の結果、中央に配置された選択肢は最も注意が向けられやすくかつ選ばれやすいことがわかり、選択肢の配置は消費者の行動を方向づける重要な要因であることが示された。
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