研究課題
若手研究
本研究では、保証命題と保証水準を基本的な分析枠組みとして、統合報告書に付与されている多様な保証を分析した。その結果、現在実施されている保証の多くが、統合報告書に含まれる一部の過去的・量的情報の内容の規準準拠性を限定的水準で保証するに留まっていること、換言すれば、統合報告書に特徴的な質的・将来指向的な情報が十分に保証されていないことが明らかになるとともに、質的・将来指向的な情報を含むより広い範囲での保証に向けて、情報の作成プロセスに注目していくことの重要性が見いだされた。
監査論
一般的な保証枠組み欠いた統合報告書に対する多様な保証の普及は、利用者による保証内容の明確な理解の妨げという問題を生んでいる。本研究では、保証命題と保証水準を基本的な分析の枠組みとして、現在実施されている多様な保証の特徴・課題を明らかにするとともに、一般的な保証枠組みの確立に向けた方向性を示すことで、上記問題の解消に一定の貢献をなしている。