| 研究課題/領域番号 |
20K13647
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| 研究機関 | 国士舘大学 |
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研究代表者 |
島崎 杉雄 国士舘大学, 経営学部, 講師 (30774525)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | のれん / 買収プレミアム / のれん減損 / 経営者 / 利益調整 / シナジー |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は， 経営者の買収の動機または目的という観点から， Johnson and Pertrone(1998)が示したボトムアップ・アプローチに基づくのれん概念とその構成要素を実証的に分析・検討することであった。のれん（または買収プレミアム）は，ボトムアップ・アプローチでは，取得企業におけるシナジーの創造分（これを『コアのれん』と呼ぶ。）であり，シナジーの創造が買収の目的とされる（シナジー仮説）。2020年度は，経営者の観点に立ち，のれん概念とその構成要素のうち，「コアのれん」以外ののれんの構成要素に着目し，次の2点の側面から分析・検討を行った。
（1）買収後の買収およびシナジーに対する経営者の評価と，それに対する経営者行動（利益調整）
（2）経営者の性質の一部（自信過剰）に着目し，買収プレミアムの過大計上と買収後ののれん減損の関係
（1）は，買収後の一定期間後の取得企業の買収に伴う会計情報（のれんおよびのれん減損）と，利益調整の関係を観察した。その結果，買収後に経営者は，買収に伴う会計情報の金額の大きさに比して，増加型の利益調整を実施していることが明らかとなった。
（2）は，経営者の性質に着目し，のれん（買収プレミアム）の過大計上が，その後ののれん減損の関係性を見ることである。その結果，自身過剰な経営者である場合，買収プレミアムの過大計上を行い，さらにその後ののれん減損の金額の大きくなることが明らかとなった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの社会的情勢を受けた職場環境および研究環境の変化によって，「やや遅れている」と判断している。その原因は，大学の業務量の大幅な増大と入構規制が実施され，計画当初よりも研究時間を確保することができないことであった。
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| 今後の研究の推進方策 |
2020年度は，経営者の観点に偏った分析，またそのなかでも部分的な考察に限定されていた。また，のれん概念とその構成要素のなかでも，「コアのれん」以外の一部に焦点を当てたのれん減損の分析・検討するアプローチをとっていた。
2021年度以降は，本研究の骨子であるのれん概念とその構成要素のなかで，「コアのれん」を中心に分析・検討を行う。それは，企業全体の公正価値（株主価値）と買収プレミアムの関係性から，みていくものである。株主価値は，企業全体の公正価値（株主価値）と，企業結合時の（被取得）企業全体の現在価値（使用価値）による部分が検討対象となる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの社会的情勢により、当初計画していた支出に大きく影響を及ぼした。まず、「物品費」は、当初計画していた環境と異なり、オンラインの環境下に必要な物品等を購入する必要があり、追加的な支出が認められた。
それに対して、「旅費」は、参加予定だった学会のオンラインの開催への変更、または開催の中止により、見込まれた支出を大きく下回った。「その他」は、データベース使用料が、当初よりも高額で、かつ使用期間が長期に及んだことにより上回った。総じて、上記報告の通り、「次年度使用額」が発生している。
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