研究実績の概要は,主に次の5つである.第1に,ホテル業A社をリサーチサイトとした質的・量的調査による混合研究法を用いた研究によって,顧客の中には利益が安定している固定客とそうではない変動客が存在していること,及び顧客との関係性を管理することで営業利益の安定化を促すことができることを明らかにし,博士学位請求論文としてまとめた(一部の成果は,Journal of Strategic Marketingに所収された).第2に,営業利益安定化を目的として顧客の満足度やロイヤルティを高めるため,旅行情報サイトの口コミデータを用いたテキストマイニングによって,満足度要因を明らかにした(論文は『日本経営工学会論文誌』に所収された).第3に,営業利益安定化を目的として顧客セグメント間の移行を促すための顧客属性・購買属性を明らかにするための決定木分析の有用性を示した(国際学会のプロシーディングスに所収された).第4に,営業利益安定化を目的とした予算管理において,現場従業員のモチベーションや戦略と整合的な行動を促すためのメカニズムを明らかにするための基礎的な分析を行った(一部の成果は,『管理会計学』に所収された).第5に,営業利益安定化の他の要因を帰納的に探索するにあたり,テキストマイニング手法の有用性を示した.
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