研究課題/領域番号 |
20K13658
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
井上 秀一 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (00785909)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 専門職組織 / 会計化 / 管理会計システム / ミドルマネジメント / 医療機関 / 大学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,医療機関や大学をはじめとした専門職組織において,管理会計システムの導入に伴う「会計化(Accountingization)」にどのように対応しているのか,ミドルマネジメントの側面から検討することである。 2年目に該当する当年度は,昨年度に引き続き理論的枠組みの構築を目的として,専門職組織における管理会計システムについて,我が国の大学を対象とした文献レビューを実施した。レビューの結果は下記のとおりである。 我が国の大学においては,バランスト・スコアカードをはじめとする管理会計システムを適用することで組織内のベクトル一致を図り,また,中期計画と予算を紐づけ,予算目標の達成が図られている。しかし,管理会計システムの展開においては,組織内のコンフリクトが問題となるが,その原因は多岐に渡る。そのため,各組織でどのような調整が求められるのかについて,管理会計システムの精度を高めることも含め検討する必要がある。 今後の大学の管理会計研究においては,以下のような定性面・定量面の両方の調査が求められる。(1)管理会計システムと現場の活動はどのように連動が図られているのか,(2)管理会計システムを展開することで業績に対し,どの程度影響を与えるのか,(3)管理会計システムの導入に伴う組織内のコンフリクトを緩和するために管理者はどのような対応を行っているのか,(4)管理会計システムに対し,組織内のコンフリクトはどの程度影響を及ぼしているのか,(5)管理会計システムが必要な場合と不要な場合でそれぞれの組織にどのような違いがあるのか。 上記の成果はレビュー論文として公表している。レビューの結果導出されたリサーチ・クエスチョンについては,次年度インタビュー調査やアンケート調査を実施し,そのデータをもとに検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論的枠組みの構築やリサーチ・クエスチョンの導出という点ではおおむね順調に進展しているが,新型コロナウイルスの影響により,インタビュー調査をはじめとするフィールド調査が実施できておらず今年度調査する予定であった調査も延期となっている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本年度導出したリサーチ・クエスチョンについて,インタビュー調査およびアンケート調査を実施する予定である。新型コロナウイルスの影響を鑑み,対応可能な調査協力先ではオンラインによるインタビューに切り替えるなど,研究の進捗に支障をきたさない方法で対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により本来実施する予定であったフィールド調査が実施できておらず,また,学会もすべてオンラインとなったため,計画時に計上していた旅費交通費に大きな差額が発生した。 次年度はインタビュー調査やアンケート調査を実施予定であり,国内学会についても対面による開催が増えつつあるため,生じた差額については次年度の調査費用および旅費交通費に充当する。
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