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2024 年度 実績報告書

英国における給付金受給者の生活の可視化と社会的振り分けに関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K13670
研究機関静岡文化芸術大学

研究代表者

野島 那津子  静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (00788614)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード「給付金のたかり屋」 / 社会的振り分け / 監視文化 / 生活の可視化 / 貧困ポルノ / アンダークラス / 社会的排除 / 「合理的差別」
研究実績の概要

本研究は、英国における給付金受給者の生活の可視化と社会的振り分けとの関係を検討し、当該社会における監視と排除の実態を明らかにしようとするものである。当初の計画では、最低3回の渡航によって、BFI(British Film Institute)にてbenefit scroungers(以下bs)に関する番組を可能な限り閲覧し、データ作成を行う予定であったが、コロナ禍で研究初年度から渡航できずにいた。2023年度に研究開始後初めて渡英し、BFIにて関連番組の閲覧・データ作成を行った。また、大英図書館では、bsに関する新聞記事の閲覧・紙面データの収集を行った。1回の渡航ではデータを十分に集めることができなかったため、研究期間を延長して再度渡英し、BFIで関連番組の閲覧・データ作成を行った。また、研究期間を通じて、国立国会図書館で新聞記事のテキストデータならびに関連文献を収集した。
本研究では、とくにBenefits Britain: Life on the Dole(以下BB)とBenefits Street(以下BS)との共通点・相違点を検討した。先行研究では、BSもBBも「貧困ポルノ」と捉えられ、BBの方が制度にやや批判的であることが指摘されている。しかし、BBで用いられる効果音、ナレーション、構成を考慮すると、必ずしもBBの方が批判的であるとは言えない。また、BSはポスト福祉主義を引き受けるコミュニティの物語として一部で「受容」されたのに対して、BBは毎回舞台が変わり、登場人物と地域とのかかわりの程度は一様ではなく、コミュニティの物語と捉えるのは難しい。今後さらなる分析が必要であるが、これらの番組を通して、給付金受給者が「良いアンダークラス」と「悪いアンダークラス」に振り分けられること、しかし、「良いアンダークラス」であっても給付金の受給は非難されることが示唆される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2025 2024

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ME/CFSを患う人々の困難と課題2025

    • 著者名/発表者名
      野島 那津子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第36回大会
  • [学会発表] 病の社会的地位について:希少疾患、精神疾患、論争中の病を例として2024

    • 著者名/発表者名
      山中 浩司, 野島 那津子, 樋口 麻里
    • 学会等名
      第75回関西社会学会大会
  • [学会発表] ニーズを主体的に無効化する:「論争中の病」の当事者の経済状況とケアの状況の分析から2024

    • 著者名/発表者名
      野島 那津子
    • 学会等名
      第97回日本社会学会大会

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公開日: 2025-12-26  

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