研究課題/領域番号 |
20K13671
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
齋藤 圭介 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (60761559)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 男性性 / 文化 / 性役割 / 性別分業 / 性別役割分担 / 伝統的規範/非伝統的規範 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、〈男らしさ〉をめぐるジェンダー規範を個々の男性たちがいかに受け入れ/抵抗しているのかに着目し、日本の男性のワークライフバランスに対する意識とその実態を、日本・アメリカ・オーストラリアの3カ国比較研究から明らかにすることにある。 今年度は、休業を取得したため調査計画を修正する必要があったものの、本課題に関連する史料の収集と整理を行いながら、以下の研究計画に基づき、課題を遂行することができた。 (1)本科研調査とも一部重複する調査に基づき、生殖における男性性を検討した論文を、関東社会学会『年報社会学論集』に投稿し、掲載された(「男性の生殖経験とは何か ――育児に積極的にかかわっている男性へのインタビュー調査から」33: 157-168。また学会誌に社会調査についての寄稿文を3本掲載した。 (2)第93回日本社会学会では、海外調査結果を和文誌に投稿することの社会学的意味を考察した「『社会学評論』は高嶺の花か?――査読誌に投稿する執筆者の属性とその趨勢」を報告した。あわせて、社会学者による社会調査の意味を問い直す機会となった「社会学への冷笑と羨望――隣接分野からのまなざし」のシンポジウムを企画・司会をした。第68回関東社会学会では、社会調査に基づく投稿論文を取り巻く昨今の状況を考察するため、個人報告および英語圏のジェンダー理論の最前線を検討する研究例会を企画・司会した。 (3)オーストラリア(アデレード)への海外調査を予定していたが、コロナウィルスの影響で調査を実施することはできなかった。しかし、オーストラリアにおけるジェンダー観を分析するための文献調査を順調に進めることができた。 (4)日本の生殖(とくに男性不妊)の3人の専門医へのインタビュー調査をオンライン調査のかたちで実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度となる令和2年度はコロナウィルスの影響で海外調査の実施ができなくなり、調査計画に大幅な修正が必要となった。さらに、令和2年度は休業を取得したため、調査計画を修正する必要がさらに生じた。 しかしながら、次年度以降に実施予定の海外調査に向けて文献調査はじゅうぶんに進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度以降は、本課題遂行のために必須となる海外調査を実施する。可能であればオーストラリアとアメリカの主要都市の医療機関を訪れ、生殖医療技術と男性性の問題について現地調査を進めていく。 また同時並行して、研究枠組みを構築するための方法論の検討も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響による調査計画の変更と休業取得のため。
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