研究課題/領域番号 |
20K13674
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研究機関 | 弘前学院大学 |
研究代表者 |
藤岡 真之 弘前学院大学, 社会福祉学部, 准教授 (60405727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ダウンシフター / オルタナティブな消費 / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、スローな生活、オーガニック消費、環境に配慮した消費など、オルタナティブな消費スタイルを実践しているダウンシフターを対象に調査を行い、その価値意識を明らかにすることを目的としている。 本年度は、新型コロナウイルスの感染拡大という状況を受けて、当初予定していた2年の研究期間を延長し、インタビュー調査を引き続き実施することとしていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が収束するには至らず、社会的に警戒感の強い状態が継続したため、当初計画していた調査は部分的な実施にとどまった。結果として実施したインタビュー調査は2件である。 実施した2件の調査からは以下のようなことが明らかになった。まず、ダウンシフト的な志向が、健康に対する関心の高さや自然環境を重視する志向と結びつくことがあるということである。これは、ダウンシフト志向とリスクに対する関心の高さとの関連を示唆するものである。また、ダウンシフト志向が、食に対する関心の高さや、美的な事柄と結びつく場合があり、これは、ダウンシフト志向が、必ずしも禁欲的なライフスタイルと結びつくわけではないことを示唆している。ほかには、ダウンシフト志向が地域的つながりを重視する傾向と結びつく場合があった。 また、本研究で得られた知見と、本研究とは異なる研究プロジェクトにおいて実施した量的調査の結果により得られた知見を合わせて、ダウンシフト志向を持つ消費者の属性的傾向と消費志向について、学会報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、終わり頃になってから、新型コロナウイルスに対する社会全体の警戒感が弱まり、人の移動も活発化してきたが、期間全体を通してみると、対面でインタビュー調査を行うことにためらいを感じざるをえない状況が長く続いた。結果、2件の調査を行うにとどまったが、これらの調査では、貴重な知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の終わり頃から、新型コロナウイルスに対する社会的な受け止め方が変化し、また感染症としての位置づけも2023年度に入ってから変わったため、インタビュー調査をこれまでよりスムーズに行うことができる環境になったといえる。調査は、大学の長期休暇期間中を中心に行う予定であるが、折をみてそれ以外の時期にも実施する予定である。 ただし、新型コロナウイルスの状況次第では、大きな移動を伴わない北東北を中心とした地域で調査を行うなど、臨機応変に対応するつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染が収束せず、予定どおりの調査を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。これは、次年度に調査を実施する際の旅費等に充当する予定である。
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